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takeの感想文マガジン

映画・ドラマ・アニメ・読書・の感想・レビューを綴るブログです

北の国から2002遺言

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今回は純が最後にしてようやく主役らしく描かれた作品でした。

前回「98時代」は完全に蛍と草太兄ちゃんの話でしたし、それ以前もどちらかというと脇役が締めてきた感のある北の国からシリーズです。

いままで主役ではあったけど、どこか主役っぽくなかった純でした。

それは純のキャラクターが、ドラマの主役としてはあまりに俗物っぽいというか、普通っぽいというか、熱血な正義感もなければ、クールなツンデレ俺様でもない、特別秀でた能力もなく、どちらかといえば地味で真面目で暗い性格でありながら、ずるさ、きたなさ、弱さもあって、実に平均的な普通の人間だったからではないでしょうか。

僕も、かなり似たところあります。あまり認めたくないけど・・・。

今回は、そんな純が、ようやく、ずるさ、弱さと向きあって、立ち向かおうとする姿に

心震えます。

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トーリーは書き出したら長くなるので省略します。

知りたい人はウキペディアでも見てください。

前編は、前ふりのようなものであまり心に響くシーンはないです。

特に、新加入メンバー、内田有紀唐十郎岸谷五朗の芝居がかった演技は鼻につき、

(演出的な何らかの意図があっての事で、役者さんに責任はないと思うのですが・・)

もしも北の国からシリーズ、まだ何も見ていない人は、2002遺言前編から見始めると、がっかりするかもしれません。しかし、後編は怒涛の感動が待っています。

いや、岸谷五朗の役どころをどう見るかで、この回の評価は変わりますね。

チンピラ風情で、暴力的でありながら、父親には弱く、妻(内田有紀)にも意外と未練がある感じで・・・なんだかよくわからない面倒くさい奴なんです。

まあ典型的なDV、ダメ男。時折見せる寂しげな顔に、意外にいい奴と思いがちだけど、やっぱりこういう男は許しちゃいかん!と思います。

しかし、ここにも一つの、不器用な親子の絆がある・・。

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僕はこの2002遺言、3回見ましたけど、1回目、タイムリーに見たときはこの岸谷五朗の感じが全く理解できず、作品全体の評価もシリーズ最低でした。

しかし、2回目、3回目と見たときは、自分の父親との関係性となんとなくリンクして、妙に心にしみました。

やはり、「北の国から」シリーズは親子の話なんです。

そして純の後半のナレーション。

 

「・・・・でも。ぼくはその父さんに感動していた・・・・父さん。あなたはすてきです。あなたのそういうみっともないところを,昔のぼくなら軽べつしたでしょう。でも今,ぼくはすてきだと思えます・・・・人の目も何も一切気にせず,ただひたむきに家族を愛すること。思えば父さんのそういう生き方がぼくや蛍をここまで育ててくれたンだと思います。そのことにぼくらは今ごろようやく,少しだけ気づきはじめてるンです。父さん。あなたは・・・・すてきです」

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ただただ、素朴に、家族を愛することを最優先に考える生き方。

仕事も、社会的地位も、名声も、財産も、家族の前では二の次。

うちの親も同じタイプの人間でした。

周りの友人知人の家庭の話を聞けば、両親の離婚、不倫、DV、別居、の話はごまんとあります。何事もない、平和で平凡な中流小市民家庭だったうちは、むしろ希少だったのかもしれません。

しかし、若いころはそんな親の生き方はつまらないと思っていました。

土日は常に家にいて、毎週『家族でおでかけ』に行こうとするんです。

「子供に依存するんじゃねえ!趣味とかねえのかよ!自立しろよ!」

なんてセリフ、はいたこともありました。思春期の僕は。

愛されていたのはわかるんですが、それはウザイ重荷にしか感じられなかったのです。

 

 

しかし今は、そんな親の生き方は素敵だったんだと思います。

そして僕は、幸せな家庭に育ったんだなあとつくづく思うのです。

北の国から98時代

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今回は前編・後編合わせて6時間と長い尺ですが、内容は比較的薄い印象です。

あくまで北の国からシリーズの中では、長い割には、という意味です。

トーリーのメインは

蛍の結婚と

草太兄ちゃんの死。

イムリーで観た当時、″草太兄ちゃんを死なすのは反則だよ倉本さん“と思ったものでした。

それは確かに、泣けるイイシーンにはなってますけど、

草太兄ちゃんは北の国からの大黒柱といっていい存在です。

それを死なすというのはもう終わりを意味すると言ってもいい。

そうすることでしか物語を盛り上げられないと言うなら、

倉本さんも焼きが回ってるんじゃないか・・・。

なにか、もっと、違う方法で盛り上げてほしいと、思ったものでした。

 

蛍の結婚について

 

不倫して駆け落ちした医者の先生との恋は終わり、

蛍は札幌で一人暮らしてます。

お腹には先生の子供がいて、先生にはその事を告げず、一人で生んで育てようとしています。

その事を富良野の人間で唯一、蛍から打ち明けられたのが草太兄ちゃんです。

「最近の若いもんはすぐ堕ろすとかなんとか・・」

「蛍みなおしたぞ。おら、お前の味方だ」

と、お金を貸してくれます。

その後、草太兄ちゃんは正吉を呼び出し

「正吉、蛍と結婚しろ」

「あいつの腹の中には不倫相手の先生の子供がいる」

「いいか、その事は五郎おじさんや純にはだまって、お前の子供として育てろ」

「五郎おじさんの気持ち考えろ」

「黒板家はお前にとって家族だろ」

正吉は、ほとんど迷わず、札幌の蛍のところに行き

「結婚してくれ」

とプロポーズをします。

「草太にーちゃんになんか言われたの?」

という蛍に

「草太にーちゃんは関係ない」

と、昔、子供の頃、蛍からもらった年賀状を見せます。

正吉が、五郎の丸太小屋で純や蛍と一緒に暮らしていた時

居候の正吉に年賀状が来ないのを気遣った蛍が、正吉宛に書いた年賀状です。

「あの時から俺の中にはずっと蛍ちゃんがいたんだ」

「言ったらいけないと思ってたけど」

 

───いいプロポーズじゃねえか正吉。

 

しかし蛍は

「気持ちはありがたいけど、それ以上言わないで」

と、断ります。

 

───まあ、それはそうだろうな。

 

その後、札幌でスナックをやってる母のところに寄った正吉は、

結婚したい女がいるんだけどまだ口説けてないと話します。

ちょうど有線から加藤登紀子「100万本のバラ」が流れていて

「女は押しに弱いもんだよ」

母みどりは「100万本のバラをあげよ~」鼻歌を歌います。

バラって1本いくらするんだ」

本気で計算する正吉

「5億かかるじゃねえか!」

と、富良野に帰ります。

そして正吉は、富良野のいたるところにたくさん咲いている

オオハンゴンソウという黄色い野草を毎日刈り取ります。

蛍のうちにオオハンゴンソウが大量に送られているカットがあり

その後、

ある日、家に帰ってきた正吉は改まって純の前に座り

「実は子供が出来た」

と言います。

「なんだ、堕ろすなら早くしたほうがいいぞ」

という純に

「結婚するつもりだ、相手は蛍ちゃんだ」

純は最初は怒りますが、まあ正吉ならいいかと、むしろ祝福する感じになり

その後3人で五郎にも報告します。

五郎も祝福してくれて、あとは順調に結婚式を迎えます。

この回はその蛍と正吉の結婚式がクライマックスとなる・・・

 

と、だいたいこんな話ですが・・・。

 

他人の子供がいる蛍にあっさり、葛藤も無くプロポーズした正吉をどう見ます?

普通は、この葛藤をテーマにしただけで、12話ぐらいの恋愛ドラマ出来ちゃいますよ。

最近韓国ドラマをよく見るのですが、韓国ドラマはだいたいがこういう要素含んでます。

主人公は実の親じゃない親に育てられ、愛情に飢え、復讐にかりたてられ・・

みたいな話ごまんとあるんです。

まあ、韓国ドラマはちょっと大げさ(劇場的)かと思いますけど、

それだけ重大な問題である事は間違いないはずなんです。

───その子供を本当に自分の子供と同じように愛せるのか───

という葛藤です。

その葛藤をまったく描かなかったのは、なんなのか。

正吉はほとんど迷わず、取るに足りない問題と判断しました。

純なら、ウジウジ、ネチネチ相当迷うところです

そこは、さすが正吉、男らしい。

と言うべきでしょうか・・・

思えば、正吉とは昔からこういう男だったんです。

正吉じゃなければ、このいさぎよさはリアリティが無いとも言えなくもない・・・

正吉じゃなければ成り立たない話です。

このシーンは、子供のころからの正吉を

ずっと見てきた人じゃないと府に落ちないかもしれません。

問題なのは蛍の気持ちです

一度プロポーズを断った蛍が、100万本のバラならぬ、100万本のオオハンゴンソウでころりと気が変わってプロポーズを受け入れる、というのをどう見ます?

 

イムリーで観た時は、まったく府に落ちなかったんです。

僕は、かねてより、花とか風船とか大量に送ってプロポーズするとか、電光掲示板貸し切って、愛してると表示させるとかいうたぐいの恋愛話は、バカバカしいと思うたちで、そういう事で、ころりと気持ちが動く女心というのも、全く分かりませんでした。

しかし、今回見て気づいた事があるんです

それは蛍がオオハンゴンソウで一杯になった部屋の中で、懐かしそうにオオハンゴンソウの匂いを嗅いでいるほんの一瞬のカットです。

おそらく蛍は、未婚の母になると決めた時、もう富良野には帰らない決心をしてたんです。

オオハンゴンソウの香りは蛍にとっても、子供のころから慣れ親しんだ懐かしい匂いです。

富良野への強烈な郷愁に襲われ、五郎や純や富良野の人たちが目に浮かび、これ以上背を向けて生きてはゆけない、と思ったのではないでしょうか。

仮に5億円かけて100万本のバラを送っても蛍の心は動かなかったかもしれない。

オオハンゴンソウだったからこそ蛍はプロポーズを受けたんだと

今回はじめて気が付きました。

それにしても

これだけの深い重いテーマを含んでいる蛍と正吉の結婚に至る過程のエピソードを

あまりにあっさりと描いているところは、

やはり「北の国から」は決して恋愛ドラマではない

という倉本さんの断固たる意思の表れではないかという気がします。

もう少し、今回は無駄なシーン多かったように思えたので、それならば、この部分を、

せめて蛍が正吉のプロポーズを受け入れるシーンぐらいは描いてもいいんじゃないかと思いましたが、やっぱりここはあえてあっさり描いたのでしょう。

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草太兄ちゃんの死について

 

僕は冒頭でも言いましたが、

イムリーで観た時

草太兄ちゃんの死については否定的でした

倉本さんの脚本家としてのやり方に対してです。

草太兄ちゃんの死のドラマとしての内容は、これ以上ないというぐらい有効な

イイシーンでしたよ。

確かに泣きましたよ。

純が草太兄ちゃんと喧嘩したような状態で

前日、トラクターを運ぶのを手伝えと言われたのを断って

一人でトラクターを運んだ草太兄ちゃんが

トラクターの下敷きになって死んじゃって

牛舎で純が頭をバコバコ打ち付けるシーンは号泣でした。

極めつけは

蛍の結婚式で草太兄ちゃんが生前スピーチ練習したカセットテープ流したシーン

 

そこまでして泣かせたいのかと

 

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しかし

今年はもう2017年です。

98年にタイムリーに放送された時代からさらに20年近く経ち

僕も″アラフィフティー”です。

それなりに身近な人間の死というのも経験してきました。

そういう立場であらためて見ると

このシーン、別に過剰演出の、劇的なドラマチックな、死に方ではないんですね。

こういう事は、誰しもが背負っている普通の事なんです。

あの時、ああ言えばよかったとか、なぜあんな事言ってしまったのかという後悔・・

祝い事と不幸が重なるというのも、リアルな現実によくありがちな話なんですね。

ようするに

反則的に″お涙ちょうだいに“に走っていたわけではなく

ごく普通の、リアルな現実の1コマを切り取ったに過ぎない

これまでと変わらない「北の国から」の平凡で、素朴な話だったんです

 

純とシュウのシーンについては今回はノーコメント。

まあとりあえず、お付き合いは続いているようです。

 

その他にも、草太兄ちゃんの農業拡張問題、

有機農法に挑戦し失敗した完治と農業の厳しい現実

など、見どころはたくさんありますが

総評としては、若干テンポが悪く、間延びした印象でした。

 

北の国から95秘密

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この回は純と蛍の恋愛話がメインです。

前にも話しましたが、僕は「北の国から」の恋愛パートはあまり好きじゃないのですが。

されど、やはり倉本さん。さすがのイイシーン要所にちりばめられていて

何度見ても、引き込まれます。

 

───大竹しのぶがイイ

今回、蛍は札幌の大学病院の先生と不倫したあげく、

病院を辞めどこかに駆け落ちしてしまいます。

その不倫相手の先生の妻、という役どころの大竹しのぶ

まず、こういう役どころに大竹しのぶを起用するあたりが他のドラマと違います。

安っぽいメロドラマなら、いや大抵のドラマなら、

主人公の家族のところに、眉毛つり上げながら乗り込んできて、

髪の毛でもつかみかかりながら、ワーワーとまくし立てるような役どころですよ。

しかし、そこはなぜ大竹しのぶを起用したのか、すぐわかります。

静かに、五郎さんの家にやってきて、

蛍の大学病院の婦長とだけ名乗り、蛍の住所を聞き出します。

年賀状が届いていて、駆け落ち先の住所が書いてあるのを、

五郎さんは喜んで差し出します。

その後に、「黒木です、黒木の妻です」と名乗りますが五郎さんは

「いや~お世話になって」

とまったく事情を知らない様子。

 「責めるつもりで来たんじゃないんですよ」

といいながら、大竹しのぶは静かに淡々と事情を説明します。

本当に一切責め立てたりはしません。

それどころか

 「たぶん主人が悪いんでしょう」

と、ショックを受ける五郎をいたわります。

そして、「お邪魔しました、帰ります」と、静かに帰ります。

バス停まで送って行った五郎さんに

「お願いがあります。ここから蛍ちゃんに電話してください。それで主人に代わってもらってくれませんか」

と、突然、切羽詰まった様子で言いだします。

そんな様子に気おされた五郎さんは有無を言えず電話をかけます。

携帯はまだない時代ですから。公衆電話からです。

蛍が「もしもし」と出ると、横から手を出して慌てて電話を切り

 

「バカねえ、私ったら。なにしてんのかしら」

 

したたかさ、強さがありながら、平静を保とうとするプライドもあり、しかし、にじみ出る悔しさ、弱さ、寂しさもあって・・・。

短いシーンの中で、揺れる複雑な心理が心に響く深い演技でした。

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───蛍に会いに行ったシーンがイイ

新巻鮭を渡して

「蛍~いつでも富良野に帰ってくるんだぞ」

と叫ぶ、この回1番の名場面です。

 

大竹しのぶ来訪によって蛍の不倫と駆け落ちの事情を知った五郎さんは、

純と一緒に根室にいる蛍に会いに行きます。

蛍と会った五郎さん

「もうなんでもいいよ。誰に迷惑かけようが、自分に正直に・・」

「いいとか悪いとかじゃなくて・・世間的にはよくない事かもしれないけど・・」

「父さんに対して、申し訳ないなんて、思うな」

「お前が何しようと、おらぁ、お前の味方だ」

「だから、余計な事考えないで・・しちまった事、後悔せんでよう」

 

僕は、ただ優しいだけの五郎さんにはやや否定的でしたが、

この時の五郎さんの言葉には胸を打たれました。

わかっちゃいるけど、どうしようもない、蛍の気持ちを察して、

余計な小言はみじんも言わないと、瞬時に腹を決めて発した言葉だったのでしょう。

こういう機微は、まだまだ純よりもずっと大人ですね。

 

昔、子供の頃の純に、時に殺伐とした気骨を持って接した五郎さん。

最近ではすっかりその影は潜め、優しいけれど、

どこか弱々しく、小さく見えていた五郎さん。

いやいや、なんの、懐深く大きな五郎さんが、そこにいました。

 

帰り際、新巻鮭を買って蛍に持たせ五郎さん。

去っていく蛍の背中に

「蛍~いつでも富良野に帰ってくるんだぞ~」

蛍は、関を切った様に涙があふれ出し、駆け戻ってきて

「私だって、本当は、毎日自分を責めてるの。でもどうしようもないの」

「ごめんなさい」

 

この時の蛍の演技も泣けました。

それまで口を一文字に固く閉じ、世の中すべてを敵に回して戦っていたかのような蛍。

あの可愛かった蛍が、どうしてこんな女になっちゃったのかと、悲観的に見ていた人も少なくないでしょう。

しかし、僕の目には、蛍は、昔からこういう女でした。

母さん(いしだあゆみ)が富良野に来て、帰る時、正面から見送りに行かなかった蛍。

悲しい時、辛い時ほど、毅然とした、凛とした態度で背を向ける。

そんな蛍は、本当は、やさしくて、情が深くて、弱いんです。

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───純がレイちゃんの結婚式を影から見送った場面イイ

今回、純とレイちゃんは一応付き合ってる感じです。

札幌と富良野で中距離恋愛して、月に一回ぐらい会っているようです。

今回も、レイちゃんが富良野にやってきて久々のデート。

しかし「プロポーズされちゃった」「大人の、ビジネスマンに」

と言われ

「へえ、よかったじゃねえか」

と言ったきり、明らかに不機嫌モードになる純。

そもそも、最近のデートはずっとこんな感じで、

会っても会話は弾まずギクシャクしているそうです。

あの「思いでの小屋」がある八幡丘を一緒に歩き。

突然、草むらでレイちゃんを荒々しく押し倒す純。

純は、ふてくされた態度で

「結婚すれば。その大人と」

「本気でそう言ってるの」

「ああ、そいつのほうがふさわしいと思うよ」

と吐き捨てるように言います。

その後、純はシュウ(宮沢りえ)と出会い、イイ感じになり。

レイちゃんとは、自然消滅って事?

すいません。本当に「北の国から」恋愛パート、いまいちよくわからなくて。

結局、シュウともいろいろあって、ギクシャクした頃

レイちゃんから電話があります。

「今日の午後、お嫁に行くの」

「よかったな、おめでとう」

と純は心から、優しく言いいます。

純はもう、レイちゃんの事は吹っ切れた様子です。

しかしレイちゃんは、明日結婚するという花嫁が、純のところに電話してくるとは?

未練タラタラ?マリッジブルー?愛の無い政略結婚?単なる挨拶?

ちょっとよくわかりません。

純もその感じ察して、半分冗談で

ダスティンホフマンの卒業、やってやろうか?」

レイちゃんも「やってやって」とまんざらでもなく、

式場の場所と時間教えてもらいます。

かくして、純はレイちゃんの結婚式に行き、こっそりと木影から見守ります。

しかし結局、「卒業」はやらず、ただ見送ります。

「不思議と気持ちの落ち込みはなかった。淋しさはあったけど」

「レイちゃんへの愛がはじけて、別のものになった気がした。別の、もっと深いものに・・」

「レイちゃん。おめでとう。綺麗だったよ」

 

なんだろう、このシーン。

むろん純は、昨晩の電話もらった時すでに、レイちゃんの事はふっ切ってるようでしたから、

まあ、「卒業」のごとく、さらわなかった気持ちはわかります。

問題はレイちゃんの気持ち。果たしてどうだったのか。

おそらく、本当にさらってほしかったのではないか。

そう思うのは、男の都合のいい解釈でしょうか?女性のみなさんどう思います?

僕の勝手な妄想です。

レイちゃんの結婚はおそらく、政略結婚的な要素があり。

レイちゃんは、純の事がまだまだ本当は大好きだが、純のほうにその気がない感じは分かっていた。ならば、親の進めるこの縁談に乗る事も悪くはないし、もしかしたら、純の気持ちを取り戻せるかもしれないという、最後の大きな賭けでもあった。

最後、車に乗り込んだときに見せたあの涙は・・・そんなレイちゃんの

賭けに敗れた悲しさ、一つの恋の終わり、青春の終わりを感じた寂しさ。

新たな人生への覚悟。そんな気持ちが入り混じった涙で、決して幸せいっぱいの涙ではなかったのではないか・・・。

あくまで勝手な妄想です。ホントこのシーン、意味よくわかりません。

でも、そこがイイんです。

誰しも、若い頃、実際にこういう経験の一つや二つあるんじゃないでしょうか。

相手の気持ちがはっきり分からず、妄想をふくらませ、しかし結局よく分からないまま。

未練の残る相手の結婚式に出席して、苦笑いで「おめでとう」なんて言ったりしたり。

 

純が本当に「卒業」のごとくさらってたら、B級メロドラマに認定しなければならないところです。ただ見送ったところが、さすが「北の国から」らしいところ。S級ドラマです。

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───シュウとの話をどう見るか

レイちゃんとの関係が自然消滅していた頃

純は、シュウといい関係になっています。

しかし、シュウが昔、東京でAVに出演していた事が発覚します。

そこで草太兄ちゃんの言葉

「お前が知ってる事を、相手は知らん。自分の過去を知らんと思ってる。ずーっとそう思わせろ。知らんぷりを通せ。その事を話したり。ほのめかしたり、責めたり。絶対にしたらいかん。惚れてるならそうしろ。それがやさしさつーもんだ」

しかし、純はそれが出来ず、あからさまに不機嫌な態度を見せ、

ネチネチと遠回しに、シュウの口からその事を言わせようとするんです。

「隠し事は好きじゃない、隠されるとかえって気になるからな」

「何を隠してるっていうの」

「隠してないならそれでいいよ」

そうして、また二人の関係はギクシャクし始めます。

なんでこんな純がモテるのか、意味わかんないけど・・・

 

シュウは、五郎さんと温泉に入り

「純君ともうダメかもしれない」

と寂しげに話します。

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それで五郎さん、純の家を訪ね

「お前の手の汚れはせっけんで落ちる」

「でも石鹸で落とせない汚れもある」

「人間長くやってりゃ、どうしたってそういう汚れがついて来る」

「お前にだってある。父さんなんか汚れだらけだ」

「そういう汚れはどうしたらいいんだ」

五郎さんの、必死の説得により、

結局、純は遠回りして遠回りして、やっとシュウを受け入れる事が出来て、

仲直りできる。という話ですが。

 

そもそも、純はなんであんなにネチネチとやさぐれたのか?

その純の気持ちをどう解釈します?

他の人たち、(正吉、草太兄ちゃん、美保純、五郎さん)は3秒で、取るに足りない過去と判断したのに。いったい純はどんな気持ちだったのか。

自分の彼女が過去にAVに出演していたと知ったら。

もちろん、一瞬落ち込むかもしれないけど。

誰だって、処女でもない限り、過去に誰かとHなことしているわけで、

それが、1人か、10人か、50人か知らないけど、

AVに出演した事なんて、カメラがあるか無いかの違いでしょう。

大事なのは、やっぱり現在の彼女がどういう人間かであるということ。

ここまで3秒で、だいたいの男は決断出来るんです。

それは、あくまで頭で考えた第三者的な綺麗ごとで、

当事者にとってはそう簡単に割り切れるもんじゃない

という事を倉本聡は描きたかったのかな・・。

あと、

純は、思うに純血主義なところがあるのかな。

中学の初恋のレイちゃんをいつまでも引きずってるあたり、

僕からすると、さらさら分からない感覚です。

さらさらとは言いすぎですが、純血主義も男の心の奥にちょこっとある事は認めますよ。

しかしまあ大抵は、純血もねえ・・いいけど・・それはそれで重いよねえ・・・

と考えるのが普通です。

自分だって、いろいろな過去があって、他の女性といろんな経験してきてるんですから。

純だって相当な過去ありますよ。

タマコ(裕木奈江)を妊娠させて堕ろさせて、かぼちゃもって謝りに行って

「誠意って何かね」

って言われて。

タマコとちゃんと向き合えなかったのもレイちゃんが純の中にいたからで。

あれは僕はさらさら理解できませんでしたが。

「中学の時の初恋の相手なんか、いつまでもネチネチ引きずってるんじゃねえ!!」

と、あの時代、裕木奈江、好きだった僕は、純ふざけんなと思いましたから。

しかしまあ、結局純の中にはいつもレイちゃんが純血の象徴として綺麗に存在していて、

その他のリアルな人間の女はどこか汚れた存在に見えていたのかな・・・。

ましてAV出演なんて、到底受け入れがたい、ということなのか。

レイちゃんとはっきり終わった事と、まわりのみんなから一生懸命説得されて、ようやく、遠回りして遠回りしてシュウと真剣に向き合う気になれた。

ということなのかな・・。

「今度の日曜、山辺山麓デパートに行かねえか」

純がシュウに言った時

「遅いんだよ!!!」

と思わず、突っ込んでしまいました。

まあ、遅くても、ギリギリ間に合ってよかったけど。

 

重ねて言いますが、僕はやはりどーも恋愛パートに関しては、

特に純とレイちゃんの恋の話は、最初から最後までいまいちピンときませんでした。

お互い何がイイの?そして何がダメだったの?と思ってしまって。

みなさんはどう思います?

 

 

 

北の国から92巣立ち

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この回から前篇・後篇の2部編成となり、エピソードも盛りだくさんになってきます。

しかし、一連のシリーズ、最初から見てくるとこの回、比較的軽く感じます。

 

それは、この回あたりから五郎さんが、コミカル路線に走りだし、初期のころの時折見せる眼光の鋭さはすっかり影をひそめ、ただただ優しいお父さん、純と蛍の帰りを待ちわびる寂しげなお父さんになっている事に起因していると思います。

 

五郎さん。ちょっと老けこむのは早いですよ。

 

純と蛍はこれからまさに「巣立ち」青春時代を謳歌しようという時。

そういう時にオヤジにしょぼくれられたら辛いですよ。

芝居でもいいからもう少し子供に気を使わせないような、

気丈なふるまいをしてもらいたいものです。

 

さて、今回はいちいちストーリー説明しているとかなりの長文になってしまいそうなので

印象的なシーン箇条書きに羅列していきます。

 

蛍は、旭川の看護学校に通いながら、帯広の勇ちゃん(緒方直人)と中距離恋愛?

を続けている。

途中富良野で乗り換えるのだが、改札は出ず、あえて素通り。

ずいぶん家には帰っていない。

その事を後ろめたく思いながらも実家に足が向かない。

五郎は、来年、蛍が卒業後は富良野の病院に就職すると思いこんでいて、

その事ばかり楽しみにしている。

蛍は実は、来年は札幌の大学病院で働き、正看護婦の資格を取ろうと考えているが、

それが言いだせない。

はっきりいって五郎と会う事に、気が重いのだ。

ある日、帯広からの帰り、富良野で電車を乗り換えた蛍は、数年ぶりに正吉に再会する。

正吉は自衛官となりますます男らしくなっていた。

正吉は「おじさんとこ行ってきたのか?」と当たり前のように聞くが

蛍は、ただ乗り換えてるだけでもう何か月も富良野の改札は出ていないと話す。

蛍は、今日ここで(富良野で)会ったことは内緒にしてほしいと言う。

正吉は、純も東京に出ていて、五郎が富良野に一人でいる事を知り

顔を曇らせ「絶対に言わねえよ」と蛍を責めるように言い捨てる。

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夏祭りの時、久しぶりに富良野に帰った蛍だったが、結局、五郎の家には泊らず

日帰りで旭川に帰ってしまう。

ガックリしょぼくれる五郎だったが、

「おじさんと飲もうと思って」と正吉が酒を持って来て、蛍のかわりに五郎の家に泊まる。

そして子供の頃迷惑をかけた事を謝り

(母みどりの借金を肩代わりさせた事。丸太小屋の火事の事)

「これから少しずつ返していきます」

と2万円を渡す。

いらないと返そうとする五郎に

「俺、おじさんの息子と思ってますから」

 

クゥ───やっぱイイ男だぜ。正吉。

 

 

草太兄ちゃんの結婚式。

トラクターで登場中の新婦アイコ(美保純)が流産。

病院での清吉(大滝秀治)の言葉。

「あいつはバカだ。考えりゃあ分かることだ」

「妊娠5カ月でトラクターに乗せて・・・」

「でもワシ止められんかった」

「あいつがバカみたいにはしゃいでる姿見て」

「どうしてもワシ止められんかった」

 

過疎の酪農の家に、ようやく来てくれたお嫁さん。兄たちは都会に出ていき、草太も若い頃は嫌で嫌で仕方なかったのが、なんとか留まって。医者にはダメかもしれないと言われていた子供を授かって、絶頂に浮かれる草太。八幡丘でド派手な結婚式を開催。自分は馬で登場して、アイコはトラクターで登場する。みんな「バカだなあ~」と思いながらもそこに水を差す人はいない。草太の気持ちがわかるから。ずっと苦労してきた草太の気持ちがわかるから。看護婦見習いの蛍だけは「トラクターに乗せるの止めたほうがいい」とはっきり言うが、聞く耳持たない草太にそれ以上は言えない。そして案の定・・・流産。

 

あえて冷たく言えば人災ですよ。明らかに防げた人災。

みんなが草太を思う気持ちがもたらした人災です。

しかし、これがリアルなひとの人生というもの。

他のドラマでこういう事あまり描きませんよ。これが倉本聡の真骨頂だとおもいます。

ただ悲しい事故で涙を誘ってるわけではないんです。

そこに生きた人間の想いを描いているわけです。

 

人生は人の気持ちでうごいてるんだなあ

そんな事、感じました。

 

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東京の純。タマコ(裕木奈江)との恋の末

タマコ妊娠。堕胎。

タマコのおじ(菅原分太)に呼びつけられ

かぼちゃを差し出しひたすら謝る五郎と純に

「誠意って何かね」

と、あの名セリフ。

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五郎は自分の家の丸太小屋のために用意してた丸太100本300万円で売る決意。

3年間、こつこつ一人で皮をむいてきたあの丸太。

大工の棟梁(大地康雄)「どうするんだそんな金。あんたには大金だろう」

五郎「大金だ。ギリギリの大金だ。誠意ってやつさ」

 

結局、五郎が送ったその金はタマコから純に返される。

タマコ「誠意はわかったから、受け取れない。おじさんがそう言ってた」

タマコ「私たちもう大人なんだし、自分で決めて行動したんだから自分たちで責任取らない と・・私、純君とのこと後悔してないから」

 つとめて爽やかに、去っていくタマコ。

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なら初めからそう言ってくれよ

 

思わずそう思ってしまいました。純もそう思ったのではないかと思います。

しかし、そういうものでもないのでしょう。

やはりこれもすべてが必要なギリギリのプロセスだったのかな

(タマコがそう言えるようになるまでのプロセス)・・・そんな事を思いました。

なんとも言えないシュールな話の連続です。

 

そして、この回「92巣立ち」はここからの話がいいんです。

北の国から」というシリーズ全体のメインテーマが集約されている

名場面へとつながっていきます。

 

丸太を失った五郎は、石で家を作ることを思いつく。

開拓時代に排出した石の山がそこいらじゅうにあるを見て。

大きな風呂に入りたいと風呂だけ先につくったのはいいが水が無い事に気づき、

ならばと自力で井戸を掘りはじめる。

中畑や棟梁はどう頑張っても素人に井戸なんて掘れるわけないと変人扱い。

純と蛍が正月に帰ってくるのに間に合わせたいと思い、必死にがんばった五郎。

ついに井戸を掘りあてた。

 

大みそかに帰ってきた純はタマコから返されたあの金を五郎に返す。

が五郎は受け取らない

「俺にも意地がある。一度やったもんはいらん」

しかしそれは怒ってるわけでも気を悪くしてでもなく

不敵に、にこやかに笑いだし

「金を失って、オイラ、でっかいもんをみつけたんだ」

「ずっと忘れてた、大きな事を思い出したんだ」

「金があったら、そうはいかなかった」

「何?見つけた事って」

「金があったら、金で解決する」

「金が無かったら、知恵だけがたよりだ」

「知恵と、てめえの持てるパワーと・・」

 

蛍を駅に迎えに行く五郎と純。

改札を出てきた蛍を大喜びで迎える五郎。純。

が、蛍の顔は固い。背後に勇ちゃんも来ていた。

とりあえず富良野の病院の先生のところに挨拶に行こうという五郎に

蛍は先延しにしていた札幌の大学病院で働きたいという話をする。

これからすぐに帰れず、勇ちゃんと札幌の病院の先生に挨拶に行くと。

ガックリ肩を落とす五郎。純と二人で家に帰る。

五郎と二人きりの純はたまらず車を借りて蛍を迎えに行く。

一人残された五郎は、石の風呂に行く。

あたりは吹雪。風呂の水は氷っている。

屋根には大量の雪。雪下ろしをしようと屋根に登った五郎。

足を滑らし落下し、木材の下敷きとなる。

身動きできない。

その頃、純は蛍を連れ、家に戻ってくる。

が、五郎はいない。純と蛍は、石の風呂の事は知らない。

夜中になっても帰ってこないことに、おかしいと気づき。

ようやく探し始めるのが夜中の2時。

中畑や棟梁の家を回り、結局、見つかるのは朝方。

五郎は、マイナス20度の吹雪の中、8時間さらされていた。

が、奇跡的に助かる。

翌日、みつけてくれた大工の棟梁にお礼のあいさつに行く純と蛍。

「医者も奇跡だって言ってました」

そして大地康雄扮する大工の棟梁の言葉。

「それは違うな・・・それは違うよ」

「奇跡なんかじゃない、犬を抱いてたせいでもない」

「身動きできなくなった体で・・」

「おそらく、その針金で、シートを手繰り寄せ・・」

「こう、体におおって、吹雪から身を守り・・」

「これを見てみろ」

スコップ。柄の部分が削られている

「木を削って、燃やそうとまでしてる」

「あいつは自分で生きたんだ」

「お前ら若いもんにこの真似が出来るか」

「お前らだったらすぐに諦めてる」

「諦めて、とっくに死んでる」

「あいつはすごい」

「たった一人で・・・」

「俺は涙が出る・・本当に涙が出る

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この後、蛍は札幌に行くの止めると言いだす。

純は、今更そんな事言っても父さんは傷つくだけだだから

蛍は黙って札幌にいけと言う。

そして、今度は俺が富良野に残ると。

「前からなんとなくは考えてたんだけど、棟梁の言葉で決心がついた」

 

「なんとなくだけど、やりたい方向性が見えてきた気がするんだ」

 

金では買えない大切なもの。

知恵と、自分の手と足と、根気。

お金は無くとも、素朴に、力強く生きる五郎の生き方を

純も素敵に思えるようになったということだ

と思いました。

 

北の国から89帰郷

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この回、以前見た時はけっこう重く

(工場での傷害事件のイメージが強く残っていたので)

辛い回だったような気がしてたのですが

今回、一連のシリーズ最初から順に見返してきてみると

けっこう軽くて笑える回です。

 

冒頭から蛍の恋の話。相手は緒方直人。

前々から思ってましたけど、倉本聡氏はどうも恋愛ドラマは得意じゃないようで、

高校生の恋にしては妙にジトジト湿っぽく、

それでも、ギャグと軽妙な掛け合いばかりに力を注ぐ恋愛ドラマよりはいいと思ってたのですが、今見ると、こちらはこちらで不自然に湿っぽく、もはやコントを見てるようで笑ってしまいます。

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終盤の純とレイちゃんが札幌で再会するシーンにしても、あれもう高校生の男女じゃないですよ。どう見ても中年の不倫カップルのようなジットリ感。

僕もあの時代(80年代後半)青春時代を過ごし、それなりに出会いと別れを繰り返しましたが、もう少しサラッとしてましたよ。特にあの時代はバブリーな時代で世の中カラッと爽やかな空気がありましたし。

というわけで、今回の「89帰郷」恋愛部門は僕にはお笑いシーンにしか見えずこれ以上は語りません。

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やはり、この回は傷害事件のシーンが核心です。

ネット上での他の人のレビューも幾つか読ませていただきましたが、

解釈がそれぞれあって面白かったですし。

 

あらすじ簡単に説明しますと

 

 ───東京で定時制高校に通いながら、昼間は自動車整備工場で働いている純。

 前回、「初恋」のラストで古尾谷雅人扮するトラックの運ちゃんから「一生ととっておけ」と言われた泥のついた1万円札2枚。もらった日付を書き込んで定期入れの中にお守りのようにしまっておいたやつ。がない。前日、バイクの窃盗容疑で警察にしょっぴかれた純。

そのことで職場の仲間にも警察の事情聴取が入り、特に上司の水谷はかなり苛立っていた様子。冷静さを失った純は水谷の仕業と思い、暴れる狂うように水谷のロッカーを激しく漁る。そこへ親友のアカマが来て暴れる純の背中にしがみついて、盗ったのは俺だと白状する。

アカマは、病気の親に仕送りするため、半年前、水谷からお金を借りていた。それが半年で倍の利息を付けられ、返済を迫られていたのだ。アカマはかねてより純の定期入れの2万円の存在を知っていて、切羽詰まりそれを拝借して水谷に渡していた。純は、あの札はお守りのような大切な札だから他の札「3万円と交換してください」と水谷にすがりつくが、水谷はもともと純に苛立っていたうえに、犯人に疑われ完全に頭に血がのぼっていて、取り付く島も無く、「誰がお前なんかに渡すか!」と殴り倒される。倒れた純。近くに、鉄のバールが落ちていたのを見て、それを手に立ち上がり、背後から水谷に襲いかかった。

結局、水谷のケガはたいしたことなく放免された純だが、家(雪子おばさんの)に帰ると、おじさん(村井国夫)に「髪も金髪にして、バイクを乗り回し、いつから不良になったんだ」なじられる。純は「理由は聞いてくれないんですか?」とふてくされ、「人を傷つけた事は悪かったけど、他は何も悪い事はしていない、僕は不良じゃない」と家を飛び出し、雨の中電柱をバシバシ殴る───

 

という話です。

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他の人のレビューでこのシーンの解釈、面白かったのは

(この人も僕と同世代ぐらいで、純君(吉岡氏)とも同世代ぐらいな様子)

イムリーに放送された時には純の気持ちがよくわかり、村井国夫が嫌な大人に見えた。

が、今、自分が中高生の息子を持つ親の歳になって見返してみると、純の気持ちが全く分からない。というものでした。髪を金髪に染め、バイクを乗り回し、傷害事件で警察の厄介になれば立派な不良で村井国夫の言っている事はごく当たり前のこと。それにふてくされて「僕は不良じゃない」とは何事だ、意味わからん、という意見でした。

 

僕はこの人と真逆なんです。

昔、タイムリーに見た時は純の気持ちがピンとこなかったのですが、今回見返してみたら、純の言ってる事がごく当り前に思え、村井国夫の言ってる事がピンとこないんです。

 

まず、純が水谷を鉄のバールで殴った事。

一歩間違えば相手が死んでいてもおかしくない事です。

今回はたまたま運よく事なきを得ましたが、殺人未遂行為ですし、傷害行為です。

いかなる理由があろうとも、決してやってはならない事です。

と、その僕の考えは昔も今も同じです。

村井国夫もその事は純に言っているので、昔見た時は村井国夫が当然の事を言っていて、

なのにふてくされてる純の気持ちが分からないと思ったのです。

しかし、村井国夫はその事はさらりと流し、その後、金髪にした事、バイクに乗りまわすこと、をとりあげて不良だと言い出したわけですが、ここが余計だったんです。

金髪にすることとバイクに乗る事は別になんら悪いことじゃない。

傷害事件ともなんら関係ない事です。

純はそのことにふてくされ「僕は不良じゃない」と飛び出したわけです。

「人を傷つけたこと、いかなる理由があろうとバールで殴った事が間違った事だ」と焦点を絞って言えば純も、もう少し素直に聞いていたと思うのですが。

この回、純が金髪に染めたのを見て、雪子おばさんが怪訝な顔で「お父さんに見せられないでしょ」とか、純自身も、これで正月は富良野に帰れないとか、窃盗容疑で警察に聴取された時も金髪だからお前がやったんだろう的な事を言われたり、金髪=不良が布石として随所にちりばめられているんです。昔見た時はそんなに気にならなかったんですよ。確かにあの時代は金髪=不良みたいなところはありましたから。しかし、今見るとものすごい違和感があるんです。今の感覚では金髪だから何だというものですよ。今は別に金髪の若者がいたって、その人を不良だなんてだれも思わないですよ。純もこころの声で、「髪の色はあくまでセンスの問題であって、不良じゃない」と言っていて、まったくその通りだと思いましたよ。しかし当時としてはそういう感覚はむしろ異端で進んだ考えだったんですね。

倉本聡氏がこの回で言いたいテーマは、

「人に外見や瞬間的な言動でレッテルを貼るのはいかがなものか」

ということではないかと思いました。

洞口依子扮するエリちゃんの存在も

昔はいまいちよくわからなかったのですが、

今回はなるほどそういう事かと合点がいきました。

エリちゃんは、いわゆるヤリマンとかオサセとか言われるたぐいの女の子。僕の学生時代にもそういう噂のある女の子は何人かいて、「あいつと関わらないほうがいい」みたいなフレが回ってきました。僕はそういう話、うのみにはしてなかったと思いますが、特にそういう女の子と関わる機会もなかったので実際がどうだったかは知りません。エリちゃんの場合は実際にそうで、ボートで(純が)襲われるのですが、川だか池だかに突き落として、純は例によって姑息に逃げるんです。なのにエリちゃんは、どうやらチンピラ風情の兄貴にその事を言いつけもせず、のちに例の泥のついたピン札、一緒に捜しまわってくれるんです。

 エリちゃん、こんなイイ女だったんだ

と、今回はじめて気づきましたよ。

ヤリマンとかオサセにしたって、金髪と同じようなもので、今思えばだから何というもの。

女の子がやりたがる事だって別に普通の事ですし。

 

純もエリちゃんもあの時代にいれば不良のレッテルを貼られる人物。

確かに、外見や言動のセンスは少しずれている(悪い)。

しかし、その中身は純朴さの中に一本筋の通った気概を持っている。

なかなか魅力のある人物です。

特にエリちゃんがイイ女に見えたのは今回の収穫。

今までは、やっぱりどこか不潔っぽいイタイ女に見えていたとおもいます。

 

ただ、単純なレッテルで人を見てしまうのはつまらないですね。

 

それはそれとして

それでもやっぱり

 

僕は「人は見かけによらない」とは実は思っていません。

むしろ「人は見かけによる」と思います。

髪の毛の色ひとつ、髪型、服装、顔つき、目つき、服装、着こなし

すべてがその人の人物をあらわしている。

と思っています。

外見で他人にどう思われても、それは自分の責任。

それを意識して、髪型なり服装なりをチョイスするのが大人というもの。

純もあの時代に金髪にするという事は

不良というレッテルを貼られることはある程度予想できる事で、それが嫌なら金髪にしなければいいし、それでもしたいならそれなりの覚悟と責任もってやればいい。

あと、バールで人を殴るというのは明らかにいけない事。

そこはもう少しちゃんと言ってもいい気がしました。

倉本聡氏が、暴力的な事について、むしろ寛容な目線を持っているのは、のちの岸谷五郎の登場回や今回の、純が富良野に帰郷し、風呂に薪をくべながら五郎に傷害事件の事を打ち明けるシーンでも伺える事で、そこはちょっと僕と感覚が違うんです。

村井国夫が聞いてくれなかった傷害の理由を五郎は聞いてくれて

「男は戦わなきゃならん時がある」

とカッコいい事を言ってくれるんです。

昔はこのシーン感動した覚えがあるんですが、

今回は「ん?」とひっかかりました。

戦わなきゃならん時があるのはわかるど、

戦い方、間違ってませんか?

 

とそんな事考えさせられた今回の「89帰郷」でした。

 

 

北の国から87初恋

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純と蛍、おおきくなってきました。中学生です。

レイちゃん(横山めぐみ)との恋の話。

トラックの運ちゃん(古尾谷雅人)のあの名シーン

「泥のついたピン札」の話です。

この回は北の国からシリーズでもっともよく見ている回のような気がします。

世間的な人気も高いのでしょう

再放送の回数も多いのではないでしょうか。

トーリーもだいぶしっかり覚えていて、今回はあまり新鮮味がなかったです。

ただ、北の国からという作品、というかどんな作品でも

何回も見返すと、そのたびに見え方が変わるものです

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今回、僕にはこの話、初恋の話というよりは

思春期で親とのつながり、コミニケーションが薄れていく寂しさが胸に響きました。

子供にしてみれば巣立ちの時期で、自立し始める成長の時代なんですが

親からすると、子供が自分の手から離れていく寂しい時期でもあるんですね。

そんな親側(五郎さん)の気持ちが胸に迫ってきたんです。

僕は子供はいませんが、

子供のいる同級生たちはちょうど中学生ぐらいの子供がいる歳頃を迎え、

そんな子供らとの関係の悩みをちらほら聞く事もあってでしょうか。

思い起こせば、自分も中学生の頃、最も反抗期を迎えていたものです。

中1のころはまだ半ズボンに5厘刈り頭で鼻たらして遊んでいたのが、

中2~3年生になる1,2年で急に髪の毛は長髪に伸ばし始め、

櫛なんか携帯して、ズボンは長ズボン、

部屋には鍵をかけ、親が入ってきただけで、

「勝手にはいってくんじゃねえ!」と怒鳴る始末です。

黒板家も思春期を迎えた純と五郎の、すれちがいが

冒頭からしっかりと描かれているわけです。

今回、一番心に残ったシーンは

レイちゃんと小屋で雨宿りしたシーンでも、

泥のついたピン札のシーンでもなく、

草太兄ちゃんの言葉でした。

───冒頭から純とのコミニケーションが薄れている事を気にしていた五郎。

純は、中学卒業後の進路を、東京に出て定時制高校に通いたいと考えていたが、

五郎には話せずにいた。家が貧乏だったし、それでも五郎に話せば無理してでもお金を工面してくれる事は分かっていたから・・・。草太兄ちゃんや雪子おばさんに相談して、こっそり出ていこうとしていた。それは五郎に負担をかけないように、純なりに気遣ってのことだった。その話を中ちゃんから聞いた五郎は(周りがみんな知ってるのに自分だけ知らなかったと)ショックを受け家に帰る。と、その日は五郎の誕生日で、電気がパッと明るく光り、純と蛍、草太兄ちゃんとその彼女アイコ(美保純)が集まり五郎の誕生日を祝う。純はかねてからこっそり風力発電の装置を作り、誕生日に五郎を驚かせようとしていた。

が、五郎は驚きも喜びもせず、進路の話をなぜ黙っていたのかと問い詰める。

そんな五郎に「父さん情けないよ!」と家を飛び出す純───

 

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この場面、第三者の目で冷静に見ると、確かに五郎が大人げない。

自分だけ相談されなかったのは寂しいけど、それも自分の甲斐性の無さのせいでもあるわけだし、草太やアイコが集まって誕生日を祝ってくれてるわけですから、その話は後にして、とりあえずその場は盛りあがるフリでもするのが大人というもの。

それを直情的に取り乱して、詰め寄るなんてのは「情けない」と言われても仕方ないと

純寄りに味方して見ていたところ

 

そんな純を追いかけた草太兄ちゃんの言葉です

 

「男は見栄で生きてるもんだ」

 

「男は誰だって、いたわられれば傷つく」

 

「それが本当の男ってもんだ」

 

ふだんはおしゃべりで、軽薄でウザい草太兄ちゃん。

要所要所でいい事言うんですよね。

 

僕は草太兄ちゃん大好きです。

もし自分に子供がいて男だったら間違いなく草太にしてたと思いますよ。

 

北の国から84夏

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「子供がまだ食ってる途中でしょうが!!」

かの有名なラーメン屋の回ですよ。

 

この回、暗いといえば暗い話ですね。

僕は、北の国からシリーズ、暗いとか悲しいとかいう受け止め方はしないタチですが

この回はさすがにちょっと暗いですね。

というのも、この回、純の「ずるさ」「きたなさ」「弱さ」に焦点を当てた話になっていて、

丸太小屋が火事になるのもこの回です。

出火原因となったのは純が薪ストーブの上に濡れた衣服を放り投げた事

それを「よく覚えてません」とトボケた純。

正吉は純をかばって、やってないのに「僕がやりました」

と相変わらず男らしい。

そのせいで、村ではまた正吉が五郎さんに迷惑かけた事になってたり。

東京から来た新しい友達を川で溺れさせたあげく

裸のままで置き去りにしたり

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冒頭から悪ガキの悪行ぶりが延々と描かれるわけです。

そのくせ自分は悪くないと言い張り、人のせいにする。

見ててかなり癖易ですが、

思い起こせば自分もこんな悪ガキだったわけで、

世代も純君(吉岡秀隆)と同世代で、吉岡氏のほうが2歳ぐらい上かな

まあ、昭和の悪ガキですよ。

僕も、いま思えばけっこう危ない事やってましたよ。

一歩間違えたら死んでてもおかしくないって事も1度や2度じゃないですよ。

なんていうんでしょう、

物の善悪は分かってるんですけど、

例えば、調子に乗った時、悪ノリする時のボーダーライン?

ココを越えたら「やばいぞ」っていう感覚みたいなのが

大人よりずっと鈍いんですね。

今の感覚では信じられない事、平然とやるんです。

現代は子供の遊びに親が付いていくようで

公園デビューうんぬんとか、それもどうかと思いますが

昔の放任主義もよくあれで大きな事故が起きなかったなあと

不思議に思いますよ。

まあ、鈍いなりにも、もってたんでしょう。

「ココを越えたらやばいぞ」っていうボーダーライン。

話ちょっとそれましたが

それでラストのラーメン屋のシーンです。

いままで、すべて正吉のせいにして悪いのは自分じゃないと言い張っていた純が

「悪いのは僕です」

とカミングアウトするわけです

ここが、純君のいいところなんです

汚かったり、ずるかったり、弱かったり

そういうところはあっても

最後は、(そのドラマの回の最後は)反省し正直にカミングアウトするんです。

僕なんか少年時代の悪行、姑息な所行、人のせいにした事

今だに誰にも打ち明けてないままの事

たくさんありますよ。

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閉店時間を過ぎ、イライラした店員のおばちゃんが

「もう閉店です」と

純がほとんど手をつけていないラーメンを下げようとしての

「子供がまだ食ってる途中でしょうが!!」

です。

五郎さんの、正直に打ち明けた純を

温かく受け入れている気持ちが伝わる、名シーンでした。