北の国から
夏にBSフジで再放送されていたの録画して見まして。
もう4回目ぐらいでしょうか
このドラマ、生涯で1番好きなドラマです。
海外、韓国、日本、新旧問わずナンバーワンドラマです。
大自然の中で、今では考えられない予算と情熱を注がれて作られた、
という意味においても今後もおそらくこの作品を越えるドラマは
出てこないでしょう。
しかし、そんな話を妻にしても
「私、これ暗くてあまり好きじゃない」
「貧乏人の悲しみを描いているのが、見ててつらくなる」
と一蹴。
つくづく人の好みというものはそれぞれだなあと思い知らされました。
僕はそんな捉え方をしたことはなく
むしろ「確かに貧乏な親子が主人公だけど、貧乏の悲しみではなく、
それは悲しいシーンもたくさんでてきますけど、そんな中で、
お金はなくとも、お金には変えられない心の豊かさとか、
派手に成功しても力を誇示するような人の下品さにたいして、
質素に素朴に生きる人の素敵さ」を描いていると
僕は受け取っていたから。
それは23話の名シーンに集約されていると思います。
純たちの母さん(いしだあゆみ)が亡くなり、五郎(田中邦衛)が遅れてやってきて
早く帰った事に、親戚らは薄情過ぎると非難。
そこでの清吉(大滝秀治)の言葉
「あいつが来れなかったのは・・金なんですよ」
「あの晩、あいつワシんとこ借りに来て、はずかしいがワシんとこもどうにもなくて、近所の農家起こして、なんとかやっと工面して、純と蛍と、雪子さん、飛行機乗せたんですよ」
「翌日の昼、中畑ちゅうあれの友だちが、それを聞いてびっくりして銀行に走って、でもあいつそれを受け取るのしぶって」
「だからあのバカ、汽車できたんですよ。一昼夜かかって汽車できたんですよ」
「飛行機と汽車の値段のちがい、わかりますかあなた。1万とちょっとでしょう。
でもね、わしらその1万とちょっと、稼ぐ苦しさ考えちゃうですよ。何日土に這いつくばるかってね」
「おかしいですか、私の話」
親戚ら、返す言葉もなし。
このシーン。「貧乏人って悲しい」と受け取るか「貧乏人でも五郎さん素敵」と受け取るか
皆さんはどうです?
僕は後者で、このシーン、何度見ても号泣です。
この清吉の話を聞いていた純と蛍は、この後
前日、吉野さん(伊丹十三)に新しい靴を買ってもらい、古い靴を捨てたのが、
どうしても気になって、靴屋に捨てた古い靴を拾いに行くわけです。
その靴は1年前、北海道で五郎に買ってもらった靴。
もともと980円の安物。
雨の日も、風の日も、純と蛍と共に、彼らの足を守り、泥だらけになり、穴があいていた靴。
そんな靴が、純と蛍はとても愛しく思われ、あっさり捨てた事を後悔し、夜な夜なゴミ捨て場を漁るんです。結局見つからないのですが。
このシーンにまさに「北の国から」という作品で倉本聡が言いたいことが
集約されていると思います。
この顔。古今東西、いろんな名子役いますけどこんな顔できるのは他にいないでしょう
靴のシーン