takeの感想文マガジン

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北の国から98時代

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~~完全ネタバレです~~

今回はサブタイトルにもあるように「時代」の移ろいが一つのテーマです。

今までは高度経済成長期とバブル景気の時代背景の中で、だからこその自然回帰、

物の豊かさより心の豊かさを見つめ直そうという倉本さんの提言。

五郎の生きざまを通して描かれてきました。

バブルは崩壊し、前回95秘密ではセナが亡くなり尾崎も亡くなっていて。20世紀末――

さてさて・・・。

五郎は炭焼きに凝っているそうです。炭といっても焼き鳥屋で使う高級備長炭ではなく

有機農家の土壌改良に使うものです。あわせて有機肥料も作って、無償で配ったり。農家も世代交代していて、若手農家にアドバイスしたりして喜ばれているそうです。

特に純の友達のチンタの兄、寛治の農家には目をかけているようです。

チンタの家と言えば89初恋で水害にあい、その借金の分担をレイちゃんの父大里が反対したあの農家です。あの時の父(レオナルド熊)から長男の寛治が後を継ぎ、五郎と共に3年かけて農薬のしみ込んだ土地を生き返らせて、有機農業に将来を賭けて規模も広げて。

新婚で、家も新築して、夢と希望に溢れています。

――やな予感プンプンしますけど。

純はゴミ回収業続けています。珍しく長続きしています。

富良野に帰って6年。一緒には住んでいないけれど、また近くで五郎の生き方に触れて。

貧乏ではあっても、人に喜ばれることを懸命にやろうとする姿に触れ。

ゴミの回収という仕事もまた人々の暮らしに必要な事だと、誇りを持てるようになってきたようです。

シュウとも順調なようで。いよいよシュウの実家にあいさつに行きます。

といっても結婚の申し込みではなく、ひとまずは顔みせ、あいさつという事で。

シュウの実家は上砂川という富良野から60キロのところにある元炭鉱の町です。

純がドアノックすると大勢の子供に迎えられて。

シュウに案内されて緊張して居間で待っているとぞろぞろと入ってくる大家族。

室田日出男扮する父親、兄夫婦、その他兄弟とその配偶者というところか・・・

シュウは6人兄弟姉妹の末娘ぐらいのようで・・

みな無言で品定めするような目でみる中。純は名前を名乗るだけで精いっぱい。

しばらくすると純を無視してTVで流れる野球中継に熱狂しはじめる。

時折、仕事は?とか親父さんは?とかぶっきらぼうに聞かれ、かなり感じ悪い。

それで終わり。帰りがけ、シュウの父親に呼び止められ。カラオケボックスに誘われて。

しかし何も話さず22曲、一人でひたすら歌いつづけ、親父さんは去っていく。

――なんだろう。元炭鉱夫の一家。あっちもまた不器用な人たちなんだろうけど。

しかし純も大変だよ。菅原文太室田日出男。やくざの親分勢ぞろいで。

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その後、シュウは実家に帰ってこいと言われる。兄のやってるコンビニを手伝えと。

あれだけの大家族。人手が足りないというわけではなさそうなのに・・・。

ようするに純と引き離して、気持ちを試そうとしているようで・・・。

シュウはそのこと分かったうえで「悔しい。だから意地を見せてやりたいの。私の気持ちはしばらく離れたぐらいで変わらないと思うって」

純は「しばらくって半年か?1年か?もっとか?」とまた不機嫌モード。

――ここは僕は純の味方だな。人の気持ちを試そうとしてあえて試練を与えるとか、やっちゃいかん事だと思う。人の気持ちは必ず変わるものだから。それが自然の流れの中でなら仕方ないと思えるけど、意図的に捻じ曲げられ、ゲームのような感覚で人の気持ちを試されて変わったのでは納得がいかない。と思ってしまい。

そういうことをする人、嫌いと思ってしまう。シュウもシュウで。それを突っぱねればいいのに言いなりになってしまうとは。言いなりではないのかもしれないけど、意地張って乗っかるとは、結局はあの家族の人間なのだと。自分とは縁がなかった。と、僕ならこの時点で引いてしまうかも。(絶対にシュウを上砂川に帰さない。帰るなら別れも辞さない)

純は一応、耐えたようですが・・

その頃、五郎の家に雪子(竹下景子)がやってくる。一人で。

夫(村井国男)と正式に別れて。子ども(ダイスケ)には父親を選ばれて・・。

ショックでそのまま飛行機乗ってきたんだと。

「義兄さん私、姉さんとおんなじ状況になっちゃった」

・・・何も言えない五郎。

雪子はその後、ろうそくショップで働いて、富良野にアパート借りて、暮らすことになる。

純は引っ越しを手伝い。山部山麓デパートで家具やら電気製品を揃えてあげて。

まだ使える捨てられた家具を見て、純はなぜかシュウの親父さんの顔を思いだす。

時代に遅れ・・・すてられたものたち・・。

草太兄ちゃんも雪子との再会を大喜びで、昔と変わった自分の畑の見せて回ります。

草太の家も、父清吉(大滝秀治)が昨年亡くなり遺影になってます。

もともと、7年前から実質的な経営は草太が引き継ぎ事業を大きくしてきました。

「雪ちゃん。これからの農業は科学を使ったでっかい金儲けだ。オラはそのためにバンバン借金して資本を投下する。とろとろやっとったら自然に追いつかん。無農薬だ、炭焼きだって、オラ、五郎おじさんが信じられん」

と、仕事に関しては五郎たちとは真逆の考え方です。

それでも有機肥料のための牛糞とかは分けてくれるシーンがさらっとあったり。

仕事は仕事。プライベートはプライベート。黒板家にとって気のいいお兄ちゃんなのは変わらないんですがね・・・。

蛍は不倫して駆け落ちした医者の先生との恋は終わり、札幌で一人暮らしてます。

お腹には先生の子供がいて、先生にはその事を告げず、一人で生んで育てようとしています。

その事を富良野の人間で唯一、蛍から打ち明けられたのが草太兄ちゃんです。

「最近の若いもんはすぐ堕ろすとかなんとか・・」

「蛍みなおしたぞ。おら、お前の味方だ」

と、当面の生活費のお金を貸してくれます。

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その後、草太兄ちゃんは正吉を呼び出し

「正吉、蛍と結婚しろ」

「あいつの腹の中には不倫相手の先生の子供がいる」

「いいか、その事は五郎おじさんや純にはだまって、お前の子供として育てろ」

「五郎おじさんの気持ち考えろ」

「黒板家はお前にとって家族だろ」

正吉は、ほとんど迷わず、札幌の蛍のところに行き

「結婚してくれ」

とプロポーズをします。

「草太にーちゃんになんか言われたの?」

「草太にーちゃんは関係ない」

と、昔、子供の頃、蛍からもらった年賀状を見せます。

正吉が、五郎の丸太小屋で純や蛍と一緒に暮らしていた時

居候の正吉に年賀状が来ないのを気遣った蛍が、正吉宛に書いた年賀状です。

「あの時から俺の中にはずっと蛍ちゃんがいたんだ」

「言ったらいけないと思ってたけど」

───いいプロポーズじゃねえか正吉。

しかし蛍は「気持ちはありがたいけど、それ以上言わないで」

と、断ります。

───まあ、それはそうだろうな。

その後、札幌でスナックをやってる母のところに寄った正吉は、

「結婚したい女がいるんだけどまだ口説けてないんだ」と話します。

ちょうど有線から加藤登紀子「100万本のバラ」が流れていて

「女は押しに弱いもんだよ」

母みどりは「100万本のバラをあげよ~」鼻歌を歌います。

「バラって1本いくらするんだ」

「500円ぐらいじゃない」

「(電卓で計算して)5億かかるじゃねえか!」

と、正吉は富良野に帰ります。

そして正吉は、富良野のいたるところにたくさん咲いている

オオハンゴンソウという黄色い野草を毎日刈り取ります。

蛍のうちにオオハンゴンソウが大量に送られているカットがあり

その後、ある日、家に帰ってきた正吉は改まって純の前に座り

「実は子供が出来た」

「なんだ、堕ろすなら早くしたほうがいいぞ」

「結婚するつもりだ、相手は蛍ちゃんだ」

純、最初は「親友の妹にそういう事するか!」と怒りますが、

まあ正吉ならいいかと、むしろ祝福する感じになり・・・。

その後3人で五郎にも報告します。

五郎も初めは驚くけど、やがては大喜びしてくれます。

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――この蛍と正吉の馴れ初め。いろいろと早急すぎてわからない人も多いでしょう。

まずはその医者の先生の子供を本当に自分の子供と同じように愛せるのか───

という葛藤です。その葛藤をまったく描かなかったのは、なんなのか。

正吉はほとんど迷わず、取るに足りない問題と判断しました。

純なら、ウジウジ、ネチネチ相当迷うところです。

このシーンは、子供のころからの正吉をずっと見てきた人じゃないと府に落ちないかもしれません。正吉とは昔からこういう男だったんです。

問題なのは蛍の気持ちです。

一度は断ったプロポーズ。それはそうです。駆け落ちした彼と別れたばかりだし。彼の子を身ごもってるわけだし。それがなぜ、一転して受け入れる気になったのか。

その経緯が全く描かれていません。描かれているのは100万本のバラを諦めてオオハンゴウンソウを刈り取って、蛍に送り続ける正吉。と。狭いアパートの中いっぱいのオオハンゴウンソウに埋もれて、少しうれしそうに花のにおいをかぐ蛍のカット。

それだけで。あとはいきなり純に報告するシーンです。

おそらく蛍は、未婚の母になると決めた時、もう富良野には帰らない決心をしてたんです。

オオハンゴンソウの香りは蛍にとっても、子供のころから慣れ親しんだ懐かしい匂いです。

富良野への強烈な郷愁に襲われ、五郎や純や富良野の人たちが目に浮かび、これ以上背を向けて生きてはゆけない、と思ったのではないでしょうか。

仮に5億円かけて100万本のバラを送っても蛍の心は動かなかったでしょう。

オオハンゴンソウだったからこそ蛍はプロポーズを受けたんだと、僕は思うのです。

蛍と正吉の結婚を祝福して中ちゃん、正吉の母みどり、雪子らが五郎の家に集まって宴会やってるところに、寛治の妻が駆けこんでくる。

「おじさん!すぐ来て!奥の畑に疫病が出て、草太さんが機械で農薬を!」

五郎、純、寛治の妻が畑にやってくると

草太が険しい顔で重機に乗って農薬をまいている。

隣接する自分の畑に病気をうつす気かと。

呆然と立ち尽くす寛治。

「5年かけてようやく生き返らせた土が・・また死んだ」

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蛍は正吉と結婚する日まで、石の家で五郎と一緒に暮らすことになりました。

正吉は今までどうり純と同じアパートでの共同生活ですが、夜ご飯は石の家に集まって、みんなで食べることが多くなり、そこに雪子おばさんも来て、あの火事になった丸太小屋、次のフライパン風車の家の時以来の家族団らんが戻ってきます。

喜び絶頂の五郎。もちろんほかのみんなも。「北の国から」シリーズ通してもこんなに幸せいっぱいの黒板家の団らんが描かれるのは初めてでしょう。

しかしその頃、村では小さなうわさがささやかれています。

例によって、草太兄ちゃんがポロリと中ちゃんに口を滑らせ、中ちゃんがシンジク(布施博)に喋り・・・蛍のお腹の中の子供は本当は・・・。

そんな事は、つゆ知らず、純はこの幸せの場にシュウがいてくれたら・・なんて思っています。

シュウはあの後、富良野のアパートを引き払って実家の上砂川に帰りました。

といっても上砂川は富良野から60キロの場所。北海道の60キロと言えば車で小1時間の距離でしょう?遠距離とは言えないところですが、お互いに意地を張って会うどころか電話もしていないそうです。シュウは離れていても気持ちは変わらないという意地。だから気安く会ったり電話したりはしないという意地。純も同じなのか?・・・自分からは絶対に連絡しないぞという意地。しかし、今回は気持ちはそんなに離れていないようで・・・。

そんな二人の様子を見かねた五郎さんは、ひょいと一人でシュウに会いに行っちゃいます。

「あいつは。ホントはシュウちゃんが大好きだ。見てりゃわかる。だけどあいつは意地っ張りだから、こんなこと俺が言うのも変なんだけど、できたら、シュウちゃんのほうから連絡してやってくれないか」

――ここはさすがに五郎さん親バカ。でも、純や蛍にだってこんなに気楽に自分から会いに行くことはしなかった五郎さん。五郎さんもホントにシュウちゃんが大好きで。この二人の関係性もいい関係性が出来ていたんだけどね・・・。

さて、その頃村では、寛治の巨額の累積借金が問題となり。草太を筆頭とした農事組合の連帯保証人たちは父親の時と全く同じように寛治を見捨てます。

有機農法だの無農薬だの、お前、農業甘く見すぎたな。これ以上みんなに迷惑かけたくなかったら、家も土地も置いて裸一つでこっからさっさと出ていく事だな」

「待ってください!俺の土地は全部諦めていいです。だけど、親父の、じいさんからずっとやってた土地だけは勘弁してください」

「遅いよ。寛治。もうどうしようもないんだ。俺たちの気持ちも察してみろ」

この後、姿を消した寛治が農薬飲んで自殺しようとしていたところ、間一髪で正吉が見つけ出します。廃屋の奥でブルブルと震えている寛治。そこへ駆けつける、五郎と純。

――今回も五郎は金銭的にはなにも助けてやれないのでした。

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クリスマス。シュウは純に会いに富良野に来ます。

クリスマスプレゼントくれます。ノート。シュウの日記帳のようなもの。

今回はぎくしゃくした感じもなく普通にメシ食べて、蛍と正吉の結婚の話で盛り上がって

自然な流れでモーテルへ行きます。

モーテルは渋滞中で‥待ってる間に何気なく切り出す純。

「オヤジ疑ってるみたいなんだ・・・蛍のお腹の中の子供が、ホントは正吉の子供じゃなくって、別れた前の彼の子じゃないかって・・そんな事考えられるか?」

「正吉君だったらやるかもしれない。あの人男っぽいし」

「俺もそんな気がするんだ・・・」

「でも万一そうだとしても、蛍ちゃんOKするだろうか・・・」

それから、5か月ぶりに、シュウと純は一つになったそうです。

夜中にこっそり起きた純。もらった日記を開きます。

純に会いたい。純に会いたい。変わらないを信じてる。同じ水が飲みたい。同じ空気を吸いたい・・・そんなことが延々と書いてあります。

――ここは完全に好みの問題だけど。僕はこんなノートもらったらやんなっちゃうな~。

こんな人と一緒になったら疲れるよ。と思ってしまう・・・。

純は好意的に受け止めたみたいです。よかったねシュウちゃん。

それから三日後。寛治の家が夜逃げします。

寛治の畑の3割を草太が引き取り、寛治の新築したばかりの家も草太が引き取り、

正吉と蛍の新居にと勧めたようです。もちろん正吉は断りますが・・。

そして純も草太に呼び出されます。

「今度オラまた土地を広げた。今が勝負だ。オラ人手がいる。一緒にずっとやってく相手だ。

そうだ純、明日トラクター運ぶの手伝え。寛治のとこから引き取ったやつだ」

「嫌だ!絶対嫌だ!寛治の持ち物動かすのは断る!」

「・・・わかった・・それはいい」

「兄ちゃん最近おかしいよ。まるで人間変わったみたいだよ。そりゃ成功してるってことはわかるよ。だからって、成功するためなら何してもいいのかって・・・このままだと俺、兄ちゃん嫌いになりそうだよ」

「寛治の事言ってるのか。寛治の事なら被害者はこっちだ。あいつがこさえた農協への借金は半端なもんじゃなかった。オラは何度も忠告したんだ。なのにあいつは無農薬なんかにのめりこみやがって。無農薬ってのは金がかかるんだ。誰に入れ知恵されたのか。まるでガキみたいにのめりこみやがって」

「そのガキみたいな寛治の土地を結局10丁歩も手に入れたんだろ!」

「借金してだ‼オラだって借金増やしたんだ!」

「寛治の家やトラクターまでとる必要あったのか!」

「5000円で買いたたいたっていうトラクターのことかね」

カウンターに座ってた知らないおっさんが割り込んできます。

「あんた誰よ」(こういう役やらせたら天下一、平泉成です)

「寛治に農地の拡張勧めといて、失敗したら骨までしゃぶるか!」

「農協に文句言え!組勘に文句言え!今の仕組みに文句言うんだな!オラたち農家のもんは、こうでもしなかったら生きていけねえんだよ!」

 と、唾を吐いて去っていく草太。

翌日、一人でトラクター運ぼうとした草太、倒れたトラクターに潰されて死にました。

――北の国からの人の死は淡々と描かれます。そもそも葬式のシーンすら純の母礼子の時以来じゃないかな・・礼子の時もそうだったけど誰も泣き叫ぶような人はおらず、親戚や近所の人たちが事務的にてきぱきと段取りつけて・・。

純が一番呆然としていて、一人牛舎で泣き崩れます。

そこへ五郎さんやってきて

「お経が始まる。中へ入ろう」

「父さん・・兄ちゃんに・・俺・・トラクター運ぶの頼まれて・・断ったんだ・・俺が手伝ってたら・・兄ちゃん一人で・・あんなことに・・」

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――タイムリーで観た時、草太兄ちゃんの死については否定的でした。

倉本さんの脚本家としてのやり方に対してです。

そこまでして泣かせたいのかと。

98年にタイムリーに放送された時代からさらに20年以上経ち

僕もそれなりに身近な人間の死というのも経験してきました。

こういう事は、ある程度の人生を生きた人なら誰しもが背負っている普通の事なのでしょう。

あの時、ああ言えばよかったとか、なぜあんな事言ってしまったのかという後悔。

別に″お涙ちょうだい“に走っていたわけではなく。

ごく普通の、日常の1コマを切り取ったに過ぎなかったのですね。

謹んで葬儀は終わり

火葬場の煙を見て「草太兄ちゃんが煙になっちゃった・・」とつぶやく蛍に

純はあの疑問を投げかけます。

「蛍。お前、正吉の事本当に好きなのか?」

「好きよ。だって正ちゃん、大きいんだもん」

「そっか・・うん。ならいい」

しばらくして、石の家に白無垢の花嫁衣装が届きます。

草太兄ちゃんが生前に発注していたもの。聞けば秘かに蛍の結婚式実行委員会が結成されていて、草太プロデュースのド派手な結婚式が計画されています。

正吉、蛍は絶対やめさせて!むろん五郎、純も同じで、何とか止めさせようと説得するも

実行委員会長(笹野高史)に「死んだもンの意志ですから、是非やらせてください」と逆に押し切られて・・・。

結婚式当日を迎えます。

雪子おばさんに白無垢を着つけてもらった蛍。

五郎、純、雪子の前に両手をつき。

「お父さん。お兄ちゃん、おばさん、長い事、ありがとうございました。蛍はずつと勝手ばかりしてきたけど、一日だって父さんたちのことを忘れたことはありませんでした。これからも決して忘れません。ここで暮らした8つからのこと、ホントによかったって思ってます。

できるなら蛍は、あの頃の蛍にもう一度戻りたいって思ってます。これからは正ちゃんと仲良く暮らします。父さん、ホントにありがとうございました」

それから仲人の中畑夫婦が迎えに来て。花火20発上がって。リムジンが迎えに来て。

「何だこれ!俺への当てつけか!」と五郎、急に結婚式行かねえ!とごねだして。

中ちゃんと純が必死に説得してようやく行って。

めずらしく長々と、コミカルに結婚式の様子が描かれていきます。

不機嫌にハイピッチで酒を煽る五郎。

――やっぱりこの日の父親は嬉しさより寂しさが勝るんだろうな~

そして、生前草太のスピーチの練習風景のカセットテープが流されて・・・

みんなしんみりと黒板家にまつわる想いを回想して・・。

ベロンロンになった五郎を純が石の家に送っていく。

「ほら、しっかりしてよ」

と純、居間に布団引いて五郎を寝かせようとすると、

紋付き羽織の中に何か固いものの感触が・・・

めくってみるとそれは元妻礼子(いしだあゆみ)の写真でした。

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家族と周囲の人の思いやりの物語。

しかし、そんな中でも田舎と農家、自然の厳しい一面。

変わってゆくものと変わらないもの。

若干長すぎ感はありますが。3時間3時間の6時間。

何度見ても早送りしたくなるシーンもなく、それぞれのシーンで

見るたびに響いてくるものも違っていて、やっぱり好きなんです。

これ私。

 

ところでシュウちゃん結婚式呼んであげなかったのね・・。

 

2020/8/19 改稿



 

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