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映画「ブレードランナー2049」感想~映像・テーマ・ストーリー三拍子揃うSS級傑作~

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映像の美しさ───

音楽の雰囲気───

虚無感漂う主人公───

前作の雰囲気をしっかりと受け継いでいて

前作のファンもその点でがっかりすることはないでしょう。

僕も前作のファンとして、前作はあれで完結していて続編はいらないと思っていた派で

正直、観るの怖かったのですが

劇場上映最終期に滑り込みで観てよかったと思います。

 

前作の良さを少し語らせてください。

前作の良さはハリソンよりもルドガーハウアーの存在にあると思います。

レプリカントのロイ(ルドガーハウアー)は前半は明らかな悪役でした。

タイレル博士の殺し方の残忍さ。眉毛が薄く冷たい肌の色。表情。

本当にぞくぞくするほど怖かったのを覚えています。

しかしその思いがラストにひっくり返ったことが衝撃でした。

単にストーリーのどんでん返しではなく、善と悪の価値観のどんでん返し。

あれ、この人(レプリカント)ただ死にたくないため、

仲間のために、あれこれと奮闘しているだけで、

普通の人間とそんなに変わらないじゃないの?

確かに残忍に人を殺す悪い奴だけど、

生き延びるため、仲間を守るために、他者を殺してきたのは

人間の歴史そのものでもあるじゃない?

ロイが悪ならレプリカントを問答無用で狩り殺すデッカードは正義の味方なの?

と、善悪の価値観を改めて考えさせられました。

悪を悪と決めつけていることに、疑問を持つ大切さを教えてくれた作品でした。

しかも、それを理屈っぽくない、シンプルで明快な

SF、アクション、エンターテイメントの中でまとめたところが凄いんです。

思春期の僕の人間形成に大きな貢献をしてくれた作品です。

そういう意味で、僕の中で生涯観た映画ベスト3に入る名作です。

 

今回の新作ブレードランナー2049も

本質的に描いていることは前作と同じだと思います。

ただ、若干理屈っぽさというか、説明的な部分が目立ち

洗練という意味ではやはり前作のほうが勝っている気がしました。

あくまで前作と比較すると、という意味で

一般的な平均的な映画と比較すれば

この作品も、決して、理屈っぽいとか、説明的というわけではありませんが。

 

あと、レプリカントがあまりに人間に近くなりすぎているのも

どうなんでしょう?と思いました。

前作もそうでしたけど、まだ、肌の色とか、動きとか、表情とか

人間離れしたところも多く見受けられましたけど

今回は、息切れするし、血は流すし、水の中で普通に窒息死するし

始めから人間とほとんど遜色なく描かれていて

まあ、いろいろと意味もあるのでしょうが

同じストーリーでもKがもう少し機械っぽい方が、むしろ、切なさがもっと心に響いたのではないかと思います。

最近見た映画で例えるなら「パッセンジャー」のバーテンぐらいな感じとか

ちょっと古い例えなら「AI」のジュウドロウぐらいな感じとか

レプリカントは機械じゃないのはわかってますので・・そこは突っ込まないでくださいね

あくまで、微妙な表情とか、ちょっとした首の動かし方とかの話です。

 

総評としては

初めにも言いましたが、世界観は前作をしっかり引き継ぎながら

映像美は断然パワーアップし、

単純なSFエンターテイメントとしても十分に楽しめますし

人間の根源的なテーマも深く考えさせられものがあり

謎解きサスペンス好きの人にも一定の驚きと、どんでん返しもあり

前作のファンでも、そうじゃない人でも

十分に楽しめる傑作だと思いました。