takeの感想文マガジン

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Amy エイミー

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1997年 オーストラリア

 

エイミーワインハウスの映画AMYもいいですが

これは8歳の少女Amyエイミーが主人公の話です。

 

エイミーは4歳の時にミュージシャンである父親を亡くし、

それ以来言葉を失ってしまいます。

母タニアは様々な専門医や精神科医にエイミーをみせて治療を試みますが、

医学的な異常は見られないと診断されます。

タニアは女手一つで必死にエイミーを育ててきましたが、

児童福祉施設の役人はエイミーを障害者施設に入れようと迫ってきます。

そんな福祉施設の役人から逃れるためタニアとエイミーはダウンタウンに引っ越します。そこに暮らしているのは一癖も二癖もある変人たちです。

しかし、向かいに住むロバートの歌声に引き寄せられたエイミーが一緒に声を発したのをきっかけに、なぜか歌声にだけ反応する事が判明します。

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エイミーとコミュニケーションを取ろうと住人たちはみな

言葉にメロディーをつけて話し出す異様な光景が町中に広がるようになり・・・

町の人たちと、エイミーが少しづつ変化していく・・というような話です。

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この話、心に傷を背負った片親の親子が児童福祉施設に引き離されようとされながらも、近隣住人との交流によって傷を癒していくという、コテコテベタベタなストーリーですが

そんなベタさを超越してなぜか心に残る作品です。

 

主題曲のお父さんとエイミーが歌う「You&Me」が印象的なのも大きいですが

(ニック・パーカー&アラーナ・デ・ローマ)

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とにかくエイミーの透き通るような声がいいです。

エイミーが声を出すだけで何もかもを超越してなぜか泣けてきます。

後付けで分析してみますと

はじめから悲壮感が全然ないところがイイのでしょう。

母のタニアはいかにも生活に疲れている様子で何かとイライラしているのに

対照的にエイミーは言葉は発しませんが、草原を走り回ったり、鳥や虫を捕まえて目を輝かせたり、笑顔をよく見せています。

ロバートとの交流で中盤披露するようになる歌声の、なんて上手な事。

この歌も決して悲壮感なく、嬉々として楽しそうに歌うんです。

しかし我々観客はエイミーがなぜ言葉を失ったのか、その理由は冒頭から知っているわけですから・・・エイミーが楽しそうであればあるほど泣けるんです。

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そしてラスト

エイミーがそんな思いを背負っていたのかと一気に叫ぶシーン・・

なんとなくわかっちゃいたけど・・・

こんな小さい体で、気丈に振舞って・・・

と涙がぽろぽろ止まりませんでした。

 

ロバートの優しさがイイ

ロバートは向かいの家の住人で昼間から仕事もしてる様子無く

ゴロゴロとギターを奏で吟遊詩人気取りの皮肉屋です。

一人家で留守番してるエイミーが彼の奏でる歌に引き寄せられて

一緒に歌い始めたことを機に、翌日、家にこもって一人留守番してるエイミーを

優しく歌で誘い出して公園に連れていきます。

たったそれだけなんですけど・・。

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彼が初めから優しげな人でなく、偏屈な皮肉屋だったのが効いているんです、きっと。

しかしこのロバート、現実の日本人の大人だったら典型的な離婚されるダメ男ですよ。

 

他の住人たちもみんなもっとダメな奴らばかりで、はじめはこんなところで子供を一人留守番させるなんて、児童福祉施設に連れていかれても仕方ないと思うような場所と近隣住人達でした。

しかしそんな連中にも一つ二つはいいところはある。

ダメなところがあるとすぐに切り捨てる、そんな傾向はよくないなあ。

そんな思いにさせてくれて、優しい気持ちにさせてくれました。

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リアルな現実はそう甘くもないだろうけど・・

唯一最後のおめでたい感がちょっと・・・です。

エイミーが街に戻ってきて、みんなに向かって言うセリフで

暗転 ENDでよかったなぁ。