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ジブリ「平成狸合戦ぽんぽこ」感想~意外にも力強いメッセージ。マイナスをプラスに転じる~

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公開 1994年

監督 高畑勲

語り 古今亭志ん朝

 

あらすじ

東京・多摩丘陵に暮らすタヌキたちは、残り少なくなったエサ場をめぐって縄張り争いを起こしていた。しかし、それは人間による宅地開発(多摩ニュータウン)で自然が減った事が原因だった。このままでは住む場所がなくなってしまうという危機感から、タヌキたちは団結。人間たちを化かして驚かせ、宅地開発をやめさせようと計画し、先祖伝来の“化け学”を復興させる。四国や佐渡に住む伝説の長老たちに助けを求める使者も送り、残ったタヌキたちはせっせと人間を化かすが、なかなか効果が得られず……。(映画COMより)

 

 

今まで、タイトルだけでもう観る気がせず・・

今回初鑑賞です

いやいや、ぽんぽこなんて、とぼけたタイトルつけて

なかなか尖んがってますよ。

多摩ニュータウンて実在の住宅地開発、名指しちゃってますから・・

多摩ニュータウンに住んでる人たちは結構、不愉快なんじゃないかな・・

鈴木さんよくOKだしたな・・。

 

多摩ニュータウンの開発を何とか阻止しようとあの手この手で七転八倒

するさまが延々、のんきにドタバタと描かれていきます。

ある意味ミュージカル風に・・・。

志ん朝さんの語り(ナレーション)でストーリーが説明される構成で・・。

僕はミュージカルもナレーションでストーリーを説明する話もあまり好きじゃないので

いまいち入り込めませんでした。

落語(漫談?)好きな人はいいかもしれませんが・・。

高畑さんも、大の落語好きのようで、ほか声優にも落語家さん、たくさん起用してるようです。

しかしこれまたラストがすごい。

 

ネタバレ時効でしょう?もう。言っちゃいますよ‼

 

結局、開発を止めることはおろか、遅らせることもできないのです。

そりゃそうですよ。たぬきですから。

開発は滞りなく進み、たぬきの山里はなくなり

多数のたぬきは死に・・・

生き残ったたぬきたちは、最後の化け学の力を振り絞って、昔の山里の風景を再現します。

一瞬だけ。見た目だけ。なんの意味も無いのに。

(本当に山里が戻るわけではないのに)

その後・・

人間に化けられるたぬきは人間社会に溶け込み。

わずかに残った公園の林で細々と暮らすたぬき。

他の地域に移動して、縄張り争いに負けるたぬき。

それぞれの道をたどってゆきます。

 

大きな時代のうねりは変えられず

死ぬやつもいれば、しぶとく生き残るやつもいる・・

ただそれだけ・・・と

人間社会も同じではないか・・と。

 

・・・諸行無常

 

この作品の感想はこの一言に尽きます

 

しかしだからといって悲観するのではなく

一度きりの人生精いっぱい楽しみなさい・・・と言っている気がします。

 

四国の長老大三郎狸(桂文枝)が妖怪大作戦失敗の後、

踊念仏(踊りながら念仏唱える)に明け暮れるというくだりからも

高畑さんの作品全体に通じる仏教的なテーマを感じます

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