takeの感想文マガジン

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ジブリ論

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ジブリ

 

ここ数か月に渡りお届けしてきたジブリレビュー。

前回の「風立ちぬ」で終了です

ご清聴ありがとうございました。

投稿した19作品。ランキングつけてみました。

 

1位 もののけ姫

2位 思い出のマーニー

3位 風立ちぬ

4位 となりのトトロ

5位 天空の城ラピュタ

6位 かぐや姫の物語

7位 借りぐらしのアリエッティ

8位 魔女の宅急便

9位 耳をすませば

10位 火垂るの墓

11位 紅の豚

12位 ゲド戦記

13位 ハウルの動く城

14位 千と千尋の神隠し

15位 崖の上のポニョ

16位 おもひでぽろぽろ

17位 平成狸合戦ぽんぽこ

18位 コクリコ坂から

19位 猫の恩返し

 

意外や意外。234位。

思い出のマーニー」と「風立ちぬ

今まで圏外からのジャンプアップです。

米林さん2作品は本当に見直しました。

ジブリらしからぬスケールの小さい話の中で、

人の気持ちの揺れを丁寧に描いているのが心にしみるんです。

 

風立ちぬ」はジブリの中では唯一大人が主人公で大人の恋愛を描いているところが痩せても枯れてもやっぱり心に残ったのかな。

 

トトロも僕の中では意外な高評価となりました。

あまり子供子供してるのは好きじゃなかったのですが・・

セリフ、説明が少なく、映像で見せるところ

背後にあるサナトリウム文学的切なさ・・

なんか響いたんですね~。

 

こうして順位つけてみると高畑作品が思った以上に低いのがまた意外。

アンチテーゼ的描き方をしているせいか

後から考えると深いのですが、

観てるときのストレスはぬぐえず、素直に「良かったー」「オススメ」と言えないものがあるのでしょう。

 

中位から下位にかけてのところで

世間的な評価と開きがあるのは「千と千尋の神隠し

僕的には詰め込みすぎでとっちらかったまま、放置して終了された印象。

ハウルの動く城」なんかも同様ですが

世間的な評価で「千と千尋」があんなに高く「ハウル」は低いのはなぜ?

映像・音楽・キャラクターを理屈なく見ればそれなりに楽しめる・・・。

しかし、それを言ったらジブリ作品ほとんど全部そうですから。

 

テーマの話をすると

ジブリ作品の全体的な基本理念は「天空の城ラピュタ」の中で

シータが言う言葉に集約されている気がします

 

ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる

ゴンドアの谷の歌にあるもの

 

土に根をおろし、風と共に生きよう

種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう

 

どんなに恐ろしい武器を持っても、

たくさんのかわいそうなロボットを操っても

土から離れては生きられないのよ!

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「自然を大切に、驕らずに生きよう」

という事です。

そして多くの作品の根底に垣間見える反戦の気配。

 

もう一つのテーマは

「生きろ」

高畑さんの作品は全体的にこれで

生きるといっても、

精いっぱいに生きるということです。

少々自己中でも、わがままでも、

やりたいこと自由にやりなさいよ・・と

 

かぐや姫」「おもひで」「平成狸合戦」全部そうだし

宮崎作品も「風立ちぬ」「もののけ」なんかも

キャッチコピーがもう「生きねば」「生きろ」で。

 

しかしこれ上の「自然を大切に、驕らず生きよう」

と、矛盾してるんです・・たぶん。

きっと宮崎さん、高畑さんもそれは認めてるんです。

認めたうえで、「節度と許容」を説きながらの・・・

「精いっぱい生きろ」なんでしょう。

 

自然は大切に

でも

人のエゴもある程度、生きていく以上あって仕方ないよね

節度をもって

やりたいことやって精いっぱい生きようよ

人と人、自然、動物。森羅万象。

違うものが共生するこの世の中

時に、それぞれの精いっぱいが衝突することもあるけど

譲り、許しあう事も忘れずにね

 

と。

 

それを見事に表現しているのが

もののけ姫」なのでした。

 

ついでにもう一つ、後継者問題について。

僕の評価も、世間的にも米林さんで決まりなのかな・・。

しかし実は米林さん最新作「メアリと魔女の花」は

僕的には酷評中です。

「マーニー」「アリエッティ」で見せてくれたオリジナルの哲学は

影を潜め、ジブリオマージュ色が強くなっちゃってる。

ジブリを出てポノックを立ち上げたの?

ジブリがポノックという名前に変わったの?

事情、よく知りませんが

「私、ジブリうらぎってませんよ~」と言い訳してるみたいで・・

いろいろ大人の事情もあるのでしょう。

そんなことを感じてしまいました。

ジブリは宮崎さん高畑さんいなくなって終わりでいいでしょう。

後の人は、変に二人の意志を継承しようとせず

自分の哲学で、それこそ生き生きと自由に作品を作ってもらいたいです。

米林さん。吾郎さん。影ながら応援してます。

 

最後にもう一つ

 

これで終わりと言いましたがやはり

風の谷のナウシカ」語らずには終われません

 

厳密にはジブリ作品ではないという事でジブリレビューからは外しました。

しかし、この作品がなければ確実にジブリもなかったであろうという

原点にして不朽の名作。

 

僕も今までの評価では「ナウシカは別格」と言ってきました。

 

次回、普通の映画投稿として「ナウシカ」語らせていただきます。

果たして「もののけ姫」を超えてくるでしょうか・・。

 

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