「プルーフオブライフ」映画感想
製作 2000年 米
監督 テイラー・ハックフォード
出演 ラッセルクロウ
メグライアン
デビットモース
デビットカルーソー
アメリカ人のダム建設技師ピーター・ボーマンが南米テカラで反政府ゲリラに誘拐された。ロンドンのK&R(誘拐身代金保険企業)に籍を置く人質交渉人テリー・ソーンが早速南米に飛ぶ。怯えるピーターの妻アリスは、彼の冷静な行動に落ち着きを取り戻すのだった。そしてテリーは人質交渉を開始。身代金を引き下げるために持久戦に持ち込もうとする。はたして無事に人質を救出できるのか…。
(アマゾン商品紹介より)
この作品、ネット上での評価が異常に低いようだけどなんでかな~。
僕は結構好きだけどな~。
たぶんみんな社会派交渉サスペンス期待してるのだろうけど、
これ、主線はラッセルクロウ&メグライアンの
大人のプラトニックラブものと観るとよいのです。
無差別ランダムにごそっと誘拐して、後から身分確認して
こいつは当たり、外れとトリアージしていく。
政治的思想も宗教争いもない。ただ組織運営資金集めのため。
恐ろしや恐ろしや・・
そんな鬼畜な誘拐組織に毅然と立ち向かう鉄の男にラッセルクロウ。
保険会社、誘拐交渉のエキスパート。
終始言葉少なだが誠実で、しかもタフガイ。仕事のできる男。
外見全盛期。(最近のゴズリングとの映画見たけどぜんぜん違う~)
誘拐された男の妻にメグライアン。
夫のビジネスのため世界の僻地を転々とする生活に苦労も絶えない。
ちょっと前には流産した経験もあり心は冷えている。
そして今回の誘拐事件。
「物事は意味があって起きるんじゃない。ただ起きるだけ」
という言葉が印象的で・・・・。
そんな二人が、誘拐犯との交渉を重ねていくうち
気持ちが揺れて・・・微妙な事に・・・。
この距離感が絶妙でいいんです。
このあたりでいいと思えるか、不快感を抱くか。
好みの別れるところでしょう。
批判的な意見で多いのは、夫が誘拐されてるときに、恋心なんて芽生えるかね?
これは「生と死は表裏一体」を表現しているんじゃないかな。
死が身近に、リアルに迫れば迫るほど、生(生殖)への本能、活力が沸いてくる感じ。
僕は理解できます。
結局、交渉は決裂。
同業他社の元軍人仲間で協力してランボーさながら武力行使で強行奪還。
なんだい!最後はドンパチアクションかい!という批判。
その批判は僕も・・7割は認めますが・・。
先ほどのメグライアンの言葉
「物事は意味があって起きるんじゃない。ただ起きるだけ」
この作品のテーマはこの言葉に集約されるんじゃないかな
まあ、物事そう思い通りにうまくはいかない。
意味や理由はなく、たまたまそういう条件がそろって起きるだけ。
ただ、その時その時のベストを尽くす事に意義はあるだろうという事で
腑に落としましょう。
そしてラストの別れのシーン。
この映画の良さはこのラストがすべてと言っても過言ではありません。
詳細語りたいですが我慢して、ここはネタバレなしで。
是非、途中挫折しそうになっても最後まで頑張って観てください。