「マイハートマイラブ」映画感想
製作 1999年 米
出演 ショーンコネリー
アンジェリーナジョリー
マデリーンストウ
ライアンフィリップ
あらすじ
結婚40周年を機会に今までの人生を見つめなおす老夫婦(ショーン・コネリー&ジーナ・ローランズ)。ある秘密を抱えた男性とその恋人(ライアン・フィリップ&アンジェリーナ・ジョリー)。不倫を続ける女性と、彼女を本気で愛してしまった男性(マデリーン・ストウ&アンソニー・エドワーズ)。嘘の身の上話を語り続ける男性(デニス・クエイド)。離婚が原因で恋に臆病になってしまった女性と、そんな彼女を支えようとする男性(ジリアン・アンダーソン&ジョン・スチュワート)。エイズの末期患者で死が目前に迫った青年とその母親(ジェイ・モーア&エレン・バースティン)。
11人の男女それぞれの人生を描く。(Wikipediaより)
愛をテーマにした6つのエピソードが、最後に1つに結ばれるストーリー。
世代も状況もバラバラな面々ですが
各組共通なのがあけすけなぶっちゃけトークです。
普通、濁したり遠回しに言ったりする事を
ズバッと鋭く核心を突く会話がダレる隙を与えてくれず
引き込まれます。
それぞれのエピソードが短く切り替わりテンポもイイです。
短かいシーンでも核心をズバッとついてるから
内容が薄くないんですね。
例えば
死が目前に迫った青年とその母親のエピソード
青年「ゲームをしよう。言いたくても言えなかったことを告白するゲームだ」
中略
母親「愛してなかったの。父さんを」
青年「最初から強烈だな。なんで結婚したの?」
母親「(苦笑)母が言ったわ。彼と結婚しなさい。葬儀屋さんは失業しない。
人は必ず死ぬから」
青年「・・・」
とか
何十年も昔の浮気を追求されたショーンコネリーは
「愛が深かったから寝なかった。迷ったけど君を選んだんだ。
愚かな話だが、人を愛したことで君への愛が深まった」
とか
まあ、みんな、ずけずけ、ぬけぬけと、語る語る。
語ること自体を野暮だと言ってしまえばみもふたもないけど
その内容は深いところにズバリ切り込んでいて
部分部分では賛否はあるだろうけれど、それがまた面白く
じんわりと心にしみるんです。
そして何と言ってもこの作品では最若手の
アンジーがイイんですよ。
表面的にはいつものタフウーマンなんだけど心はチョー乙女なのが
かわいくて・・。
こんなアンジーはこの作品でしか見られないんじゃないかな・・。
「彼は言ったわ。愛を語るのは建築を踊るのと一緒だと」
「哲学するとどんな話も無意味」
「たぶんそうかも」
「でも私は懲りない」
まあ、本作のテーマとして伝わってくるのは
野暮でも無意味でも大事なことはちゃんと声に出して話そうよ
という事でしょう。
最後どう収束するかはさすがに言いませんよ。
収束重視する人には評価低くなるかも・・
中盤あたりでだいたい読めてくるから・・。
僕はどう収束するかというところはあまり興味なく
だからオムニバスあまり好きじゃないのですが
しかし本作は
しっかりと人間が描かれているところがイイのです。
各世代にわたる愛の話と死の話。