映画「ヤング・アダルト・ニューヨーク」感想~人生の勝ち負けとは何か~
2014年 米 ノア・バームバック
ニューヨーク・ブルックリンを舞台に、世代の異なる2組のカップルの交流と友情を描いたハートフルコメディ。8年間も新作が完成していないドキュメンタリー映画監督のジョシュと、妻のコーネリア。40代になり、人生にも夫婦にも何かが欠けていると感じるようになったある日、ジェイミーとダービーという20代のカップルと知り合う。時代に乗り遅れたくないとSNSに縛られる日々を送る自分たちに比べ、自由でクリエイティブに生き、レトロなカルチャーを愛する若い2人に刺激を受けたジョシュとコーネリアは、再び活力を取り戻していくが……。ミドルエイジの夫婦を演じるベン・スティラー&ナオミ・ワッツと、20代のカップルを演じるアダム・ドライバー&アマンダ・セイフライドが共演。(映画COM)
アダム・ドライバーとアマンダ・セイフライドの怪演がイイです。
これは、一種の師弟ものです。昔からよくある、落ち目の師匠が若い弟子を育てているうちに、いつの間にか追い越されていくというやつです。
実際にも一昔前のベン・スティラーのオカブだったニヒルでクールでユーモアある若者役もすっかりアダムとアマンダ食われてます。
しかし、僕はこういう作品、落ち目の師匠の哀愁に心惹かれるんです。
映画「訣別の街」のアル・パチーノとジョン・キューザック
韓国ドラマ「ベートーベンウイルス」のキム・ミョンミンとチャン・グンソク
みんな好きな作品ですが、追い越されても師匠のほうががやっぱり素敵なんです。
人として。
この作品のほかの人のレビューをいくつか読ませていただきましたが、後味が悪いという感想が多いようでした。
主役のジョシュ(ベン・スティラー)がジェイミー(アダム・ドライバー)に追い越されてENDとなるからでしょう。しかもこの話の場合はちょっと・・・。
重大なネタバレになるのでこれ以上は言えませんが、結構驚きあります。
しかし、僕はこの終わり方で大満足です。
前半こそベンがアダムに食われてると思ったけど、最後はやっぱりベンのほうが素敵だったから。
この映画が問うているのは
人生の成功とか失敗とか、勝ちとか負けとかって、なんだろう?
ということではないでしょうか。