「ミチコとハッチン」TVアニメ感想
「刹那」という言葉が浮かぶ。
一瞬の輝き。
ただそれだけに生きるミチコ。
居場所のないハッチン。
そんな二人が・・
ヒロシという生きてるか死んでるかも分からない男を探し
あてのない逃避行を描いた話。
最近のアニメにはない寂しくシュールな雰囲気がイイ。
ギャグもお色気もない。
大好きな映画「パーフェクトワールド」(主演ケビンコスナー)の感じに似ている。
初めから正解のないゴールにむかって、バカみたいに突き進む姿になぜか泣けてくる。
声優の起用に賛否あるようだが僕はこれでいいと思う。
真木ようこのミチコ。別に奇をてらってるわけでもなく、お洒落ぶってるわけでもなく、このキャラクターに、このアニメの世界観にぴったりはまっている。
結局は「刹那」を描いているのだから。
意味も、成長も、目的もない。
ただ一瞬、一瞬の輝きだけに生きる。
それも悪くないと思わせられる。
それでいてちょっぴり情がある。
そんな機微が分かる人間にしかこの話の良さはわかるまい。
ひとつ残念なのはラスト。
急にほのぼのしたハッピーエンドな感じになったところ。
サトシ・バチスタが名もないチンピラに撃たれてあっさり死ぬけど、ああいうシュールさがこういう話の王道。ミチコも最後は追い詰められて・・・古いけど「明日に向かって撃て」的な終わり方のほうがよかったかな・・個人的意見として。
これはこれでいいけど。