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ジブリ「コクリコ坂から」感想~青春ストーリーの裏に隠された親子の物語~

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コクリコ坂から

 

公開 2011年

監督 宮崎吾郎

 

<作品解説>
太平洋戦争が終わって18年、日本は焼け跡から奇跡の復活を遂げた。
そして、高度経済成長が始まろうとしていた時代に、復活の象徴として、日本は東京オリンピックの開幕を目前に控えていた。
人々は古いものはすべて壊し、新しいものだけが素晴らしいと信じていた。
煙突から吐き出される煤煙。道路をひしめく車の土埃。
人々でごった返す街。工事や建物の解体作業の騒音。
しかし、それでも海は青く、緑は輝き、空は広く、世界は希望に満ちてキラキラと輝いていた。
そんな時代に、横浜にあったある高校で、明治に建てられた由緒ある建物をめぐって小さな紛争が起きていた。古いけれど、歴史と思い出のつまった建物。
それを取り壊すべきか、保存すべきか。
ある高校生の男女が、そんな事件の中で出会い、心を通わせ、助け合って行く。
ふたりが見出した日本の“明るい未来”とは、何だったのか。
16歳の海と17歳の俊の愛と友情を横糸に、建物をめぐる紛争を縦糸に、この物語は、まっすぐに生きる高校生たちの群像をさわやかに描いてゆく―。

(アマゾン商品紹介より)

 

初鑑賞です。

 

全体の感想としては。

何を描きたいのか焦点がぼやけている印象です。

一番伝わってきたのが時代の空気感です。

1963年の横浜が舞台という事で、実は僕の母親がドンピシャこの物語の主人公海と同級生ぐらいの年代で、しかも横浜山手育ちというのも同じで、母の話から聞いた話とリンクすることも多く非常に感慨深いものはありました。

山下公園氷川丸、ニューグランドホテルは今もある、わが家から5分とかからない散歩コースでおなじみの光景。コクリコ坂のモデルであろう坂も見当がつくし。学生運動が盛んだった話も母からよく聞いたし、「歌声喫茶でよく歌を歌ったわ~」とか言われても、歌声喫茶?なんじゃそりゃぁ?と想像すらできなかったけど、「ああ、こういう事ね」と納得しました。

母方兄弟の複雑な事情なども、この物語と重なる部分もあり、あの時代のリアリティーを感じることはできました。

ただそんな時代の空気感の表現に力を注いでしまった分

青春ストーリーと恋愛ストーリーの部分が弱く、あまりにも平凡でさらりとしすぎているというのが、いまいちな要因なのかもしれません。

例えば同じような青春ストーリーでも「耳をすませば」や「魔女の宅急便」のほうがなんか「躍動感」があるし、キラキラしてるし、ワクワクするんですよね~。

大人が観ても。子どもが観たらその差はもっと大きいんじゃないかな~。

お約束の自転車二人乗りシーンはあるんですけどね

 

宮崎吾郎監督は僕と同世代(か少し上)で、彼にとっても

父親世代へのオマージュという意味合いがあったのではないでしょうか。

結局これは青春ものではなく、親子の話なのかな・・。

 

この作品で、お父さん(宮崎駿氏)とはバチバチやったらしいですけど、それもなんとなくわかります。

 

駿氏 「オメー、俺へのオマージュなんかどうでもいいから子供にわかる話つくれよー」

吾郎氏「オヤジだって初期のころ、暗いのさんざん作ってたじゃないか。おらぁあのころの方が好きだったけどねぇ」

て僕の勝手な妄想ですよ。妄想ですよぉ~。

 

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