「ラストサムライ」映画感想
公開 2003年
監督 エドワード・ズウィック
出演 トム・クルーズ
タイムリーに劇場で観て以来、約15年ぶりにDVDで見返してみて
・・・・・・・。
良かったところは以前も今回も変わらず
外国人だからこその日本の伝統、文化に対する敬意あふれる視点。
いかにも怪しいディテールはある。
それはエキゾチックジャパンをわざとの演出しているのではないかな・・。
あくまで外人から見た日本の話ですよ・・と。
特に明治維新の時代の話は、日本人が作れば
長き閉塞と鎖国の時代から脱却し
新しいものや世界に視野を広げようとすることを良しと描く
維新軍側の視点に立った話が圧倒的に多く、人気であった。
文明開化のあの時代に、いつまでも「ブシドウ」「サムライ」に固執する保守的な連中に焦点を当てたところが面白い。
しかし・・
今回微妙に思ったのは
こんなに玉砕美化ものだったとは・・・
ブシドウ=セップク=ギョクサイ=カミカゼ=トッコウ・・・
結局、外国人の日本人のイメージとはこうなのか・・・
むろん、この映画が描いているものはそれだけではないだろうけど
表面的な生死ではない、魂と信念の生死。
勝元は命を賭しても・・魂に生きたのだ。
ラストシーンで天皇に勝元の死にざまを聞かれたオールグレンが
「生きざまを話しましょう」
と答えるのが素敵だった。
余談。
渡辺謙演じる勝元のモデルは西郷隆盛ではないかという見方が多いようで・・・・・。
敵役の大村はさしずめ大久保利通。クライマックスの戦闘は西南戦争か?
勝元も西郷も「尊王攘夷主義」という意味でもかなり近い・・
西郷の「尊王」はかなり建前的な感じもするし「攘夷」に関してはかなり複雑に入り組んでいて一筋縄ではない
結局、外国に屈しない強い日本を作りたかったのだろうとは思うけど
勝元のほうが純粋で内向的な感じはする。日本古来の伝統、精神性を守りたかった。という意味では近いか・・・。
なるほど、勝元にモデルがいるとしたら西郷というのもうなずける。
僕は今だに人物像がはっきりつかめない西郷さん。
今年のNHK大河も見なかったし・・。
西郷さんは果たしてラストサムライだったといえるか?
日本人同士の戦争は西南戦争が最後だったという意味では・・。