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「万引き家族」映画感想

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製作 2018年

監督 是枝裕和

出演 リリーフランキー

   安藤サクラ

   樹木希林

 

あらすじ

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。 冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。ちょっとご飯を食べさせてあげて返すつもりだったが、女の子は体中傷だらけで・・。

 

 

いや~なかなかに良かったですね。

そんなに重くもないし。

愛はあるんですね。とっても。

だけどそれは隔たって屈折した小さな輪の中だけで・・・

大きな社会に対しての愛に欠けるのですよ。

しかし・・

いろんな出生の事情があって普通には生きていられない人たち

社会を愛したくても社会からつまはじきにされてしまった人たち

どん底の行き止まりで、肩を寄せ合って必死に生きる人たち。

そんな人たちを悪といえるだろうか・・。

まあ、この家族たちは万引きしちゃいましたから

悪は悪なんですけど

そこが重く感じない要因でもあったのでしょう。

これで万引きもせず、地道に頑張ってるだけでこの生活だったら悲しすぎるでしょう?逆に。

万引きは彼らなりの屈折した愛情表現だったとも思えます。

戦後直後のドヤ街や途上国のスラム街なんかではこういう家族はいくらでもいたんだろうな~とも思わされます。

地球があってそこに生き物が生きているだけ・・

原始の世界だったら彼らの生き方は何の非もない

生命の自然な営みなのでしょう

しかしこれは現代日本社会の話だから、彼らの生き方は通らないのです

社会に生きるとは何なのでしょうね・・・。

そんなことを考えさせられる作品でした。

 

どうやら、是枝作品に共通するメッセージは社会とのつながりですね

家族の愛を描いているようですが

家族だけを守ってればそれでいいのか?と。

自分たちだけが良ければそれでいいのか?と。

社会との絆を断っては、家族は守れないのだ!と。

結局、社会を愛せなければ、家族も愛せないのだ!と。

そんなメッセージ伝わりました。

 

初稿 2019・7・29

改稿 2020・2・23

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