takeの感想文マガジン

映画・ドラマ・アニメ・読書・の感想・レビューを綴るブログです

「天気の子」映画感想

f:id:take-yutaka:20210107020223j:plain


製作 2019年

監督 新海誠

 

あらすじ

高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。「ねぇ、今から晴れるよ」少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった。

(映画の時間より)

 

雨を100%の確率で晴れに変える力を持つ少女の話。

さすがにファンタジックすぎますぜ~。

家出少年主人公は、あてもなく離島から東京にやってきて、

漫画喫茶暮らし・・拾った銃をそのまま持ってるとか

せっかく奇跡的にありついた仕事と住まいも

ほっぽり出して、不思議少女と晴れ女ごっこ

あまりに無計画なその行動は盲目猪突猛進すぎてひきます。

まがりなりにも高1だろ!にしてはあまりに子供じみているぞ!

と、前半は冷ややかな目線で観てしまいました。

しかし、中盤になってテーマが見えてくるとおやおや・・。

メッセージ性は良さそうだぞ・・・。

実にタイムリーだし・・・。

~~以下完全ネタバレ感想です~~

f:id:take-yutaka:20210107020305j:plain

その夏、関東地方は異常気象によって雨が降り続き、各地に甚大な被害をもたらいていた。

オカルト雑誌のライターの須賀とそのアシスタント夏美が「晴れ女」の伝説についての取材で、とある神社の住職を訪ねるシーンでのこと。

夏美は住職に、今年の異常気象をどう思いますか?と問います。

住職は言います。異常気象なんて誰が決めたんだと。

「天気に正常も異常もない。もともと人の都合など関係なく動いているのが自然の摂理であって、その天と地の間で振り落とされないよう、仮住まいさせてもらっているのが人間なのだ」

と。

「天と地を繋ぐ存在として、晴れ女は存在する。ただしそこには犠牲が伴う」

と。

物語は住職の予言通り、陽菜が天に連れていかれ、いなくることで長らく続いた異常気象は収まり世界に陽の光が戻ってくる。

猪突猛進な主人公が警察から逃げ出し、拾った拳銃で抵抗してまで

「彼女に会いたいんだ~」とたいした根拠もなくビルの屋上に行くと

都合よく天に昇って陽菜のもとに行けて彼女を連れ戻してくる。

と、世間は再び雨になり。以降3年間雨は降り続いた。

それによって東京は広範囲にわたって水没してしまっていた。

高校を卒業した帆高は再び上京すると高校生になった陽菜と再会して

ハッピーエンド。

というお話です。

さてさて。

主人公は世界を救うよりも、一人の少女を選んだ。

それによって東京には3年間雨が降り続き水没する。

というところをどう観るか?

で賛否は別れるところでしょう。

作品としては

「世界なんてもともとどうせ狂ってるんだから」

と、いうおばさんのセリフによって

主人公の選択を肯定的に、爽やかに締めくくっています。

その前にファンタジックすぎる展開、あまりに盲目に突っ走りすぎる

主人公帆高のキャラをどう観るかという問題もあり。

どうも、世間的にも理屈抜きに感動できる作品にはなっていないようです。

僕も理屈抜きに感動とはいきませんでしたが

頭で考えるメッセージとしては共感できるものはありました。

東京も昔は大部分が海だったと。世界は昔に戻っただけだと。

そんなこと言い出せば昔は氷に覆われていた時代もあったし、

もともと、自然は人の都合など考えず動いているのだから。

しかしいつの間にか安全安心が当たり前で

それが崩れたときは異常だと騒ぎだす。

それを改善できないのは政治が悪いという。

「みんなで力をあわせて改善しよう」を乱す奴(他人)が悪いという。

しかし新海さんは

誰かの犠牲によって保たれる正常なら

異常な世界でもイイじゃないかと。言っているように思えました。

あくまで僕の受け止め方ですよ。今だからこその・・。

新海さんがこの作品を作ったのは2019年だからコロナ前だけど。

今のコロナ禍にあてはめて考えると

また、感慨深い意味を持ってくるな~

と感じたのでした。

f:id:take-yutaka:20210107020400j:plain

 

takeの感想文マガジン - にほんブログ村