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ジブリ「天空の城ラピュタ」感想~捨ての美学~

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公開 1986年

監督 宮崎駿

 

空に浮かぶ伝説の島、ラピュタを発見したものの、人々に信じてもらえないまま亡くなった父を持つ、見習い機械工のパズー。彼はある日、空から落ちてきた少女シータと出会う。彼女は胸に青く光る石のペンダントを身につけていた。そのペンダントこそが空に浮かぶ力を持つ“飛行石”だったのだ。ところが、二人はラピュタを捜索している国防軍に捕まってしまい、シータを残してパズーだけが釈放されることに。彼は、同じく飛行石を手に入れようとしていた空中海賊ドーラ一味の協力を得て、シータを国防軍の手から救い出す。そして、とうとう伝説の島ラピュタと遭遇することになるが……。 (アマゾン商品紹介より)

 

 

まさに駿さんの真骨頂。躍動感あふれる冒険活劇です。

壮大な世界観と圧倒的展開力。何度見てもノンストップで引き込まれます。

最近はあまりない全体的に寂しい雰囲気。

重厚な音楽。

主人公二人のけなげな姿。

ロボット兵が醸し出す寂しさ優しさ・・

ラピュタ庭園のロボット兵がお墓に花をあげているシーン。

今回の一番の感動ポイントでしたが・・。

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そして魔法が出てこない。これも重要なポイントです。

飛行石が唯一魔法っぽいけれど、魔法とは違う、

ファンタジーであるにしても一応、機械テクノロジーの中で汗かいて奮闘してる感じがイイんです。

と・・・

今まで、ジブリ作品ナンバーワンにあげていたのですが・・・

ナウシカジブリ作品に入れないとすると)

今回の鑑賞でそこは大きく揺らぎました。

作品テーマとか主人公二人の気持ちの流れだとかを考えると

今一つ深みがない、ような気がして・・。

パズーはまっすぐに熱い、絵にかいたような少年漫画の主人公。

シータの方が多少憂いもあるけれど、まあ、普通に素直ないい子。

二人は出会ってすぐに打ち解けて仲良くなる。

後はストーリーの展開力で引っ張っていくのですが二人の気持ちの動きという事に着目してみると・・さしたる動きはない。

最初から最後まで終始、相思相愛。

二人ともみなしごという事が大きな要因でしょう。

みなしごにはみなしごにしか分からない気持ちの絆があるのでしょう。

それはそれでいいんですが・・それにしても、

最初は警戒していて徐々に絆が深まっていくとか・・

もうすこし揺れがあった方が良かった気はします。

 

作品テーマでいえば、

「強い石は人を幸せにもするが、同時に不幸にもさせる」

坑道のポム爺さんの言葉に集約されています。

ラピュタは物語の世界では、ずば抜けて進んだ科学の英知の結晶体であり、悪用せず研究解析すれば人類の文明を大きく前進させるであろう代物です。

しかし同時に、ラピュタは強大な兵器でもあり、それを悪用しようとする勢力から、破滅の呪文で守るという話です。

捨てる美学というのかな・・。

なにかを得ようと欲に生きるよりも、捨てることで自然を慈しみ質素につつましく生きることの大切さを描いている・・。

いつもの駿さんブシです。そして後のジブリ作品に脈々と受け継がれていく不滅のテーマです。

僕がジブリ作品を好きな最大の要因でもあります。

ただ、こうして続けてジブリ作品を観てくると

今回の鑑賞ではちょっと新鮮味がなかったという事で・・。

この作品が原点ではあるのだけど・・・。

何かもう一つ二つ心に響くテーマが見つけられるとよかったんですが・・。

 

廃墟と化した庭園に一体だけ動いているロボット兵・・

わけもなく泣けるんですが・・・

なぜ?とわけを考えるのは野暮ですかね~

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