takeの感想文マガジン

映画・ドラマ・アニメ・読書・の感想・レビューを綴るブログです

2017-01-01から1年間の記事一覧

映画「17歳のエンディングノート」感想~正面から死と向き合うファニングに圧巻~

公開 2012年 英 出演 ダコタ・ファニング ジェレミー・アーバイン 白血病と医者に宣告された17歳の少女テッサ(ダゴタ・ファニング)は、 残された時間を人間らしく生きる「尊厳死」を選択し、あらゆる治療法を止め、 「セックスをする」「ドラッグをやる」…

映画「隠し剣 鬼の爪」感想~ズーズー弁が温かい。正直に生きるとは~

公開 2004年 原作 藤沢周平 監督 山田洋次 出演 永瀬正敏 松たか子 小澤征悦 「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」と続く藤沢周平時代劇三部作の1つです。みんな似たような話、似たようなテーマで、どれが好きかというのは結局、出演している…

「ジョゼと虎と魚たち」映画感想

公開 2003年 監督 犬童一心 原作 田辺聖子 出演 池脇千鶴 妻夫木聡 上野樹里 大学生の恒夫(妻夫木)は、一見爽やかな好青年だが、同じ大学の香苗(上野)と付き合いながら別のセフレもいて、チャラいキャンパスライフを送っていた。そんなある日、雀荘のバ…

映画「Amy エイミー」感想~隠れた名作。DVD抱いて眠りたいほどに~

1997年 オーストラリア エイミーワインハウスの映画AMYもいいですが これは8歳の少女Amyエイミーが主人公の話です。 エイミーは4歳の時にミュージシャンである父親を亡くし、 それ以来言葉を失ってしまいます。 母タニアは様々な専門医や精神科医にエイミー…

邦画「寝盗られ宗助」感想~人間の器の大きさとは~

公開 1992年 原作 つかこうへい 監督 若松孝二 キャスト 原田芳雄 藤谷美和子 筧利夫 今まで観た邦画ベスト5に入る作品です。これぞまさに隠れた名作です。 旅一座の座長、北村宗助(原田芳雄)と、その看板女優、レイ子(藤谷美和子)と、 団員達との人情話…

映画「ブレードランナー2049」感想~映像・テーマ・ストーリー三拍子揃うSS級傑作~

映像の美しさ─── 音楽の雰囲気─── 虚無感漂う主人公─── 前作の雰囲気をしっかりと受け継いでいて 前作のファンもその点でがっかりすることはないでしょう。 僕も前作のファンとして、前作はあれで完結していて続編はいらないと思っていた派で 正直、観るの怖…

「狼と香辛料」TVアニメ感想

旅の行商人ロレンスは麦の取引に訪れた村、パスロエで、馬車の荷台に潜り込んでいた少女──ホロと出会う。自分は麦の豊作を司る狼神だという彼女には、確かに狼の耳と尻尾が生えていた。 しかし、パスロエの村民たちは神の力などもう必要としなくなったという…

「その峰の彼方」  笹本稜平 読書感想

───人はなぜ山に登るのか という問いに正面から愚直に挑んだ山岳小説だと思います。 主人公の津田悟は冬のマッキンリーの難ルート単独登攀をして、遭難。 友人の吉沢と地元山岳ガイドたちによる捜索行を通して、 津田はなぜ危険な単独行に挑んだのか?安否は…

「ランチの女王」ドラマの感想

2002年 フジ 出演 竹内結子 江口洋介 妻夫木聡 山下智久 山田孝之 伊東美咲 堤真一 洋食屋「キッチンマカロニ」が舞台のドラマです。 今じゃ考えられない豪華なキャスティングです。 堤真一、江口洋介、妻夫木聡、山下智久の4兄弟と、若くてピチピチ絶頂期の…

映画「ぼくとアールと彼女のさよなら」感想~ほろ苦さがなんかしみる~

2015年 米 ───男子高校生のグレッグは友達と呼べる相手もおらず、なぜか気が合うアールと共に名作のパロディー映画を作る冴えない日々を送っていた。そんなある日、幼馴 染みだが疎遠になっていた女の子のレイチェルが白血病になり、グレッグは母親からレイ…

「鹿の王」 上橋菜穂子 読書感想

ストーリー 飛鹿乗りの戦士団「独角」の頭ヴァンは東乎瑠帝国との戦いに敗れ、岩塩鉱に囚われ捕虜として過重労働を課せられる日々を送っていた。そんなある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の疫病が発生。奴隷も看守も岩塩鉱にいたすべての人が死滅す…

「君の名は。」アニメ映画感想

君の名は ついに観ました。 本当はあまり観る気なかったのですが・・・ 嫌でも入ってきた事前情報では、僕の好みではなさそうだったので・・・ 地上波放送で観ればいいやぐらいな感じで・・・ ツタヤで一週間レンタルになったので、5本千円の数合わせで仕方…

映画「ハドソン川の奇跡」感想~迷いの肯定~

2016年 米 監督 クリント・イーストウッド 主演 トム・ハンクス 名匠クリント・イーストウッド監督がトム・ハンクスを主演に迎え、2009年のアメリカ・ニューヨークで起こり、奇跡的な生還劇として世界に広く報道された航空機事故を、当事者であるチェズレイ…

「親鸞」五木寛之 読書感想

青春篇上下巻 激動篇上下巻 完結篇上下巻 講談社文庫全6巻読了 力強い作品だった。 まともに向き合えば、一生かけても答えの見つからない まさに禅問答のような堂々巡りの底なしの海に、何度も引きずり込まれそうになった。 引きずり込まれそうになっては、…

「天空への回廊」笹本稜平 読書感想

───エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落。 雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。 ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠…

「楽園のカンバス」原田マハ 読書感想

マハさん作品読むの2作目です。 1作目は「本日は、お日柄もよく」で感想はイマイチ。 結論から言いますと本作品のほうが断然よかったです。 あくまで僕の好みですが。 ニューヨーク近代美術館のキュレーター補佐、ティム・ブラウンはスイスの大邸宅に招かれ…

本日は、お日柄もよく  原田マハ

フェイスブックの読書グループで紹介されていたので興味を持ち 「何度も泣きました」「言葉の持つ力に感動」「元気が出るお仕事小説」 との帯に心ひかれ文庫購入しまして。 原田マハさんの本。はじめて読みました 私的感想。結論から言うと「う~ん」星1.5点…

「ドクターギャング~ろくでなしの恋~」 韓国ドラマ感想

ちょっと古い作品ですが今だにこの作品を超える韓国ドラマなかなか出てきません。 好きな韓国ドラマ2位タイの作品です。 いわいる美女と野獣系です。 野獣といっても心やさしい無口なヤクザと女医の恋の話です。 パワフルにワーワーまくしたてる演技の多い韓…

レインツリーの国  有川浩

はじめて読む作家さんです。 女性作家さんだったのですね・・・・。 率直な感想は「なるほど最近のトレンド作家さんだな」 僕が思う「最近のトレンド」とは 主人公の「成長」が描かれていること。 しかし実は僕、この「成長」タイプの話、あまり好きじゃない…

獣の奏者  上橋菜穂子

ドラゴン使いの少女が主人公のファンタジー と言えばアニメや映画でもよくある話ですが 本作はそんじょそこいらのドラゴンファンタジーとは わけが違うんです 普通のドラゴン使いものは「生まれながら特殊な運命や能力の持ち主」で だいたいが「選ばれし者」…

「ミチコとハッチン」TVアニメ感想

「刹那」という言葉が浮かぶ。 一瞬の輝き。 ただそれだけに生きるミチコ。 居場所のないハッチン。 そんな二人が・・ ヒロシという生きてるか死んでるかも分からない男を探し あてのない逃避行を描いた話。 最近のアニメにはない寂しくシュールな雰囲気がイ…

映画「ヤング・アダルト・ニューヨーク」感想~人生の勝ち負けとは何か~

2014年 米 ノア・バームバック ベン・スティラー ナオミ・ワッツ アダム・ドライバー アマンダ・セイフライド ニューヨーク・ブルックリンを舞台に、世代の異なる2組のカップルの交流と友情を描いたハートフルコメディ。8年間も新作が完成していないドキュメ…

韓国ドラマ「運命のように君を愛してる」感想

2014年 チャン・ヒョク チャン・ナラ チェ・ジニョク 1話を見た時は「なんじゃこれ」でしたよ。 あの悪評高い(チャンヒョクの芝居がかった笑い)シーンから始まり、 わざとらしい演出、マカオでの強引でありえない展開。 バカバカシイ・・・と。 1話見て…

映画「シング・ストリート」感想~いじめ対応の道しるべ~

2015年 アイルランド・英・米合作 ジョン・カーニー 「はじまりのうた」「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督の半自伝的作品で、好きな女の子を振り向かせるためにバンドを組んだ少年の恋と友情を、1980年代ブリティッシュサウンドに乗せて描い…

映画「幸せをつかむ歌」感想~これが本物のバンド映画~

メリルストリープが売れないロックミュージシャンを演じ、娘役に本当の娘が出演したことが話題となった作品。 他のバンドメンバーはほとんど本物のミュージシャンを起用しているという。 ギターも歌もメリル自身がこなすというのはさすが。 音楽的クオリティ…

ソング・オブ・サンデー  藤堂志津子

ジャンルでいえば比較的軽いラブコメに分類できますが、 私の好きな小説ベスト10に入る作品です。 本作の簡単な説明をするのに実にちょうどいいので、冒頭の書き出しをそのまま抜粋します ドライブに行く約束の今日の日曜日だった。 4日前の晩に電話をかけて…

海峡 伊集院静

───少年にとって、父はそびえる山だった。母は豊かな海だった。 土木工事や飲食店、旅館などで働く50人余りの人々が大家族のように寄り添って暮らす「高木の家」。その家長の長男として生まれた英雄は、かけがえのない人との出会いと別れを通して、幼い心に…

北の国から2002遺言

今回は純が最後にしてようやく主役らしく描かれた作品でした。 前回「98時代」は完全に蛍と草太兄ちゃんの話でしたし、それ以前もどちらかというと脇役が締めてきた感のある北の国からシリーズです。 いままで主役ではあったけど、どこか主役っぽくなかっ…

北の国から98時代

~~完全ネタバレです~~ 今回はサブタイトルにもあるように「時代」の移ろいが一つのテーマです。 今までは高度経済成長期とバブル景気の時代背景の中で、だからこその自然回帰、 物の豊かさより心の豊かさを見つめ直そうという倉本さんの提言。 五郎の生…

「北の国から95秘密」ドラマ感想

~~完全ネタバレ~~ 石の家、完成しました。五郎はアキナ(ワンコ)と暮らしてます。 夢の足の伸ばせる風呂に入って、家庭菜園のような小さな畑で自分で食べる野菜だけ作って、 電気水道ガスは無い、質素なスローライフ満喫しているようです。 純は富良野…

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