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「ファミリー・マン ある父の決断」映画感想

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製作 2016年 カナダ・アメリ

出演 ジェラルド・バトラー

   ウィレム・デフォー

 

あらすじ

腕利きのヘッドハンターとして優秀な人材の引き抜きや仕事の斡旋に誰よりも熱心に取り組み、会社の中でも一、二位を争う業績を上げてきたデイン(ジェラルド・バトラー)。
社長のエド(ウィレム・デフォー)は、彼とそのライバルの女性社員リン(アリソン・ブリー)に、今後の業績次第でどちらかに社長の座を譲ると告げ、2人に更なる発破をかける。ところがそんな折、10歳になるデインの息子ライアンが、急性リンパ性白血病にかかっていることが判明し入院することになった。
息子の一大事にも関わらず、依然として仕事に明け暮れているデインに対し、妻のエリース(グレッチェン・モル)は不満を募らせる。妻からの強い要望もあり、デインは仕事の量をセーブし、少しでも息子との時間を持てるよう努力を始めるが、今度は仕事の成績に影響が出てしまいー。(アマゾン商品紹介より)

 

上へ上へ。上昇志向。とにかく勝つことが大事。

業績を上げるためなら汚いこともする。

そんなギラギラ尖がったヘッドハンター、デイン。

10歳の息子とさらに小さい娘と妻と4人の家庭の大黒柱。

「もう少し家庭に目を向けて」と妻に言われれば

「この家の家賃は俺が払ってるんだ」と豪語する。

典型的な仕事人間。

息子がガンだと宣告されてもその姿勢はあまり変わらない。

――この映画ここが斬新。

普通、子供がガンだと宣告されて家庭の大事さに気付くというのが定石でしょう?

一応、ちょこちょこ病院に顔を出すけど、常に仕事の電話・・・。

――僕はこういう男の気持ちは全く分からない。基本上昇志向無いし。

金にも社会的地位にも見栄えにもあまり興味ない。

だからこの主人公デインには全く共感できるところがなく前半はずっとイライラ。

しかし、抗がん剤治療でベッドに横たわる息子がこんなことを言いいだしてからはおやおやとなる。

「母さんと一緒だと怖い」

いつも寄り添っているのは母親。でも息子の病気が進行すると、

どうしても顔に出てしまい、それが息子にも伝わるのでしょう。

方や、親父は今まで通りの変わらない仕事人間で・・・。

息子としてはその方が安心するようです。

そして意外にも息子は父親の仕事を理解している。

子供というのは仕事をする父親の背中というのをしっかり観ているんだな。

「パパは他の家のパパたちを助ける仕事をしてるんだ」

むろん汚い部分は除いて。純粋なヘッドハンターとしての父。

デフォー扮する社長がまた、血も涙もなく

息子がガンなの知ってても、数字数字、契約契約と発破をかけてくる

という役どころで、いつも通りの怪演。

さてこれは、息子の病気から家庭の大切さに気付くのではなく

ギラギラ業績至上主義から本質的な仕事の誇りを取り戻す話です。

細かい部分をどう料理するかは見てのお楽しみという事で。

あまり世間的には評価されず埋もれているようで、絶賛するほどでもないけど、

静に沁みるような作品で・・・僕はなかなかいい話だと思う。

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