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「その手に触れるまで」映画感想

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製作 2019年 ベルギー・フランス

監督 ジャンピエール&リュック・ダルデンヌ

 

あらすじ

ベルギーに暮らす13歳の少年アメッドはどこにでもいるゲーム好きの普通の少年だったが、尊敬するイスラム指導者に感化され、過激な思想にのめり込む。
ある日、学校の先生をイスラムの敵と考え始め、抹殺しようとする。狂信的な考えに取り憑かれてしまった少年の気持ちを変える事はできるのだろうか……?

(アマゾン商品紹介より)

 

イスラム原理主義に傾倒していく少年の話。

過激な1信教に傾倒してく理由は何なのか・・・。

女性と握手しちゃいけない。キリスト教ユダヤ教、他

イスラム教以外はすべて敵。

信仰を妨げるものは殺してよい。

私の常識からすれば、甚だ考えるまでもないその教義を

地球上全土を見渡せば決して少なくない人々が真剣に信仰している。

それはなぜか・・・。

を考えたくて手に取ったのだけど

監督の視点は「なぜ」ではなく「どうしたら抜け出せるか」にあるようだ。

信仰の自由。

過激なイスラム教とはいえ毎日、定刻にきちんとお祈りする少年に

周囲の大人たちは、信仰が悪いとは言えない

私もどんな過激な教義でも信仰は悪くないと思う。

心の中だけで何を信じようと、何を考えようと自由だという意味で。

しかし、行動として他者に損害を与えることは

どんな信仰をもっていようが、無信仰だろうが悪だと。

なぜそこをはっきり言わない!(周りの大人たちが。または映画として)

と、もどかしく思ったのだけれど・・・

損害って何よ。損害も考え方次第で変わるでしょ。

人を殺すことは害を与える事ではなく浄化だ・・。

とか言われたらもう・・・・沼だ。

だから宗教問題は難しい・・。

ラスト。

・・・ネタバレあり・・・

 

女の先生の手を握ることで、少年は過激な信仰から抜け出した?

そこをどう受け止める?が、

この作品の評価の分岐点になっているようだけど・・・。

わたしはあまり好きじゃない。

それでは、イスラム原理主義を否定することになるわけだから。

わたしは「なぜ?」をもっと掘り下げてほしかった。

過激な信仰に傾倒していく背景には、過激な苦しみがある気がする。

信仰とはなにか。宗教とは・・神とは・・

それは人類の営みに潤いも与え、憂いももたらす。

単純に否定も肯定もできない・・・。

結局、こういう作品前にして、なんも言えないのです。

 

2021・9・19

 

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